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地域地質資源の発掘と調査、普及を通したプログラムの開発と試行

研究課題

研究課題/領域番号 23K02805
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関神奈川県立生命の星・地球博物館

研究代表者

山下 浩之  神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 企画普及課長 (60261195)

研究分担者 丹治 雄一  神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸部長 (50342944)
田口 公則  神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70300960)
西澤 文勝  神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 学芸員 (70813905)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード石材 / 地域地質資源 / 箱根ジオパーク
研究開始時の研究の概要

箱根ジオパーク内に眠る、忘れられつつある石材(地域地質資源)について、自然科学的および人文科学的調査を実施し、石材の素性を明らかにする。2024年度以降は、前述の調査を継続するとともに、解明した石材について普及講演会等を実施し、参加した市民からさらなる石材の情報提供を求める。得られた石材の情報について、再び自然科学的および人文科学的研究を実施する。この一連の作業を期間内にプログラムとして繰り返し試行する。

研究実績の概要

神奈川県立生命の星・地球博物館と、神奈川県立歴史博物館は、石材をテーマとする共同研究を実施し、その成果を2回の展覧会で公開した。このうち神奈川県立生命の星・地球博物館で開催した展覧会において、未確認の石材の情報が来館者より複数寄せられた。このような石材は地域地質資源として重要であり、後世にその記録を残していく必要がある。寄せられた情報は、箱根ジオパーク内のものが多かったこと、箱根ジオパークというツールを活用できるメリットから、本研究では箱根ジオパーク内の石材をターゲットとすることとした。
本研究の開始時までに入手している未確認の石材について、産地周辺での分布調査、利用調査、聞き取り調査の実施、室内での文献調査、古写真、古地図の解析などの人文科学的調査を実施した。研究の実施については、研究分担者である神奈川県立歴史博物館の学芸員を中心に、研究協力者の小田原市文化財課職員らで行った。さらに、未確認の石材について、地質学的、岩石学的調査を行い、石材の地質・岩石としての成因の解明を行うと ともに、岩石としての地球化学的特徴を見出す。
得られた新たな石材のデータを加えて普及講演会を実施した。講演会で新たな石材の意義をアピールするとともに、あわせて新たな未確認の石材の情報提供を講演会の参加者に求めた。人文科学的、自然科学的に解明された未確認の石材は地域地質資源であり、箱根ジオパークのジオサイト等の要素としての追加も検討する。
以上の「石材の歴史学的、自然科学的調査」、「新たに分かった石材をテーマとした普及講演会の実施」、「新たな石材情報の入手」をプログラムとして繰り返し試行する予定である。
2023年度は、1件の未知の石材情報と、2件の採石跡の情報を得ることができた。いずれも野外調査を実施してサンプルを採集し、現在岩石学的性質と歴史的背景を解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年3月までに、講演会を4回、野外にて石材見学会を4回実施した。講演会の内訳は、小田原市内でジオパークを案内するためのガイドの養成講座、地域の有志団体への講演会、大正関東地震100年に関連した根府川地域での一般向け講演会と見学会、湯河原町において湯河原の石材を題材とした講演会であった。その結果、未知の石材の情報提供が1件と、採石跡の石丁場の情報を2件得ることができた。未知の石材とは、新編相模国風土記稿にもある、小田原市の南部に産する「萩野尾石」だが、記録にはあるがその実態が全く不明であった。今回、講座参加者から、石材が使用されている建造物や採石場跡地などの情報提供を受け、情報提供者宅にて聞き取り調査を実施することができた。さらに情報提供者より採石場跡を案内してもらい、サンプルの採集も行うことができた。
野外調査は、「萩野尾石」のほかに3回実施した。この3回の野外調査の元となる情報は、箱根ジオパークのガイド関係者からの情報提供であり、新たな石丁場の発見および再確認や、石材が使われている建造物の確認なども行うことができた。新たな石丁場は、史跡小田原城の石垣に使われた可能性が高く、現在、小田原城の石垣の岩石学的調査を並行して行っており、新知見が得られそうである。
「萩野尾石」に関しては、岩石を採集し、岩石プレパラートと全岩化学分析による地球科学的なデータを解析中である。初年度としてはまずまずの成果が得られた。

今後の研究の推進方策

今年度も引き続き講演会と石材見学会を実施していく予定である。講演会は、箱根ジオパーク内では、昨年度に引き続き小田原市内でジオパークを案内するためのガイドの養成講座講演会と、一般市民向けに小田原城で使用された石材に関する講演会の2回の実施が決定している。さらに箱根ジオパーク外ではあるが講演会が2回予定されている。石材見学会は、ジオパークガイドのための見学会が1回と、一般市民向けの真鶴半島での石材見学会の2回が予定されている。これ以外にも、随時講演会や石材見学会を実施する予定である。
今年度は、申請者が所属する神奈川県立生命の星・地球博物館の開館30周年にあたる年であり、30周年記念の展覧会が開催される。その中で、箱根火山の研究史の展示と、神奈川県内で見られる石材の展示を行う。これらの展示を通して、来館者より未確認の石材の情報提供を求めたい。
野外調査に関しては、昨年度に得られた情報に基づく野外調査が不十分のため、冬季に野外調査を実施の予定である。
前述の一般市民向けの小田原城で使用された石材に関する講演会に関しては、ジオパークのガイド関係者からの情報提供からたどり着いた新たな石丁場の石と、小田原城の石垣で使われた石材について、岩石学的、地球化学的知見からの対比と、文献調査からの検討を行っている最中である。
今年度はさらに古地図解析による石丁場の調査に加え、矢穴があけられている石(矢穴石)、刻印が掘られた石、石造物(石塔や摩崖仏)などを3Dスキャンして、地球科学的データとともにデータベース化を図り、講演会の題材を補強していく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 令和4~5年度畑地帯総合整備(担い手支援)西浦みかん足保久料地区事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書 第5章矢穴石の岩石学的特徴.2024

    • 著者名/発表者名
      楠賢司・山下浩之・酒井瑞帆・佐竹凌汰
    • 雑誌名

      静岡県埋蔵文化財センター調査報告第

      巻: 70 ページ: 87-102

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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