研究課題/領域番号 |
23K02817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
清水 慶彦 大分大学, 教育学部, 准教授 (90568510)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フィールド・レコーディング / サウンドスケープ・コンポジション / STEAM教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「音の教育」として展開されるフィールド・レコーディングを用いた教育活動を、STEAM教育の新たな領域として位置づけて発展させることを目指すものである。 そのために、フィールド・レコーディングを通じた学びの過程のSTEAM教育としての理論化を図りつつ、本研究ではとくに、フィールド・レコーディングの再生時における音の再現性の問題を、近年急速に普及しつつある空間音響技術をもちいた上演手法を開発することで解決する。
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研究実績の概要 |
研究全体として当初計画にもとづき、1)フィールド・レコーディングを通じた学びの過程のSTEAM教育としての理論化を図ること、2)フィールド・レコーディング上演のためのシステムと上演方法を開発すること、3)開発したシステム・手法をワークショップ等において実装すること、に取り組んでいる。 令和五年度は、1)について、フィールド・レコーディングにもとづく創造的教育活動への応用を想定している「サウンドスケープ・コンポジション」の理念について調査し、論文にまとめることができた。 2)について、いわゆる空間音響技術の一種である「8chキューブ方式」を用いた立体音響上演システムを構築することができた。 3)について、本学STEAM Lab.主催の一般向けワークショップにおいて、開発した立体音響上演システムを試験的に導入することができた。 また、いわゆる空間音響技術を用いた作品展示や上演などについて、わが国での現状を知るべく積極的に現地調査を行った。令和五年度は、展覧会『ものごとのかたち』(2023年8月18日 NTTインターコミュニケーション・センター)、ダンスプロジェクト《Rain》(2023年8月27日 J:COM北九州芸術劇場)、インスタレーション《OTOBA 都心から一番近い森の記憶》(2023年11月12日スターツおおたかの森ホール)、上演会『72°×5sp=360°ICON 立体音響作品を聴く』(2024年2月18日浜離宮朝日ホール)など国内の8件の作品展示・上演等について調査した。 くわえて、おもに大分県内でのフィールド・レコーディング実践についても継続的に取り組んでおり、その成果の一部をweb上などで公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2)について、当初計画通り、空間音響技術を用いた上演システムを構築することができた。また、3)として、その試験的導入をおこない、問題点や改善点を洗い出すことができた。 1)について、当初計画とはアプローチの優先順位を変更するに至ったが、今後の研究に必要な理念的枠組みを整理し、論文としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
1)については、とくにフィールド・レコーディングとSTEAM教育との接合の点についての資料調査を強化していく必要がある。2)および3)について、当初計画通り、構築した上演システムを令和七年度に本格的に実践稼働することを目指す。そのために、令和六年度はおもに上演システムの効果的な運用方法を開発し、本学STEAM Lab.主催のワークショップや、学部授業等での試験運用をおこなう。これにより、システムならびにその運用方法についての質的向上を図る。 また、空間音響技術を用いた作品展示・上演についての現地調査、ならびにフィールド・レコーディングの実践等を継続し、フィールド・レコーディングとその上演手法についての知見をさらに深めていく。
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