配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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研究実績の概要 |
1. 抵抗部の幅Wを1mm,長さLを19mmとすることで10Ωの抵抗部を作製した.抵抗部を電子顕微鏡で検査したところ, Al(アルミナ)が塗布された専用紙にAg(銀)で印刷されており,その厚さは1μm前後であった.さらに,幅Wは1mmのままに長さLを2倍,3倍と変化させることで20Ω, 30Ωの抵抗部を作製した.また,Agは熱放射率が0.02~0.03と非常に低いため, 抵抗部の温度を直接サーモグラフィカメラで測定することは困難である.そのため,抵抗部に透明な絶縁テープ(熱放射率:約0.95)を張り付け, サーモグラフィカメラによる温度測定を可能とした. 2. 1.で作製した抵抗にV = 0 ~ 5Vを印加した時の温度Tの関係を明らかにした.実験環境は室温を27℃とした. 3. 抵抗の直列回路において,各抵抗にかかる電圧をその温度から読み取ることが可能な教材として電圧計を作製した.抵抗値が10Ωの2つの抵抗を直列接続し2.0Vを印加したとき, サーモグラフィカメラでは2つの抵抗が同じ明るさで観察され,それぞれの抵抗にかかる電圧は1.0Vを表示した.抵抗値が20Ω,30Ωの抵抗を直列接続し5Vを印加したとき, サーモグラフィカメラでは30Ωの抵抗が明るく観察され,それぞれ2.1V,3.0Vを表示した. 4. 電圧を印加してから,本教材の電圧計が安定した値を表示するまでに約120秒が必要であった.これは,ジュール熱による抵抗部の温度上昇が定常状態に近づくのに約120秒かかるためである.本教材の電圧算出に要する時間を短縮するため,抵抗部の面積を小さくするなどの工夫が課題として残された. 5. これらの研究成果について,第84回応用物理学会秋季学術講演会,第71回応用物理学会春季学術講演会にて報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
計画では導電性インクで作製した抵抗を教材として利用する予定であったが,電圧印加時の抵抗の温度上昇が予想より緩やかであった.これは,抵抗の面積が大きいため,大気への放熱量が多くなったためである. 今後は教材として小型カーボン抵抗を利用し, 本教材の電圧算出に要する時間の短縮を図る予定である.
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