研究課題/領域番号 |
23K02843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
金政 祐司 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (70388594)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 親密な関係内の暴力 / 愛着スタイル / ダークトライアド / 社会的排斥 / 夫婦関係 / 恋愛関係 / 縦断調査 / 社会的孤立・孤独 / IPV / アタッチメントスタイル / Dark Triad / 社会経済的地位 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では、IPV加害・被害のリスク要因を親密な関係内の問題(親密な関係内の個々人の特徴やその関係の特質)にのみ求めるのではなく、関係外の周囲との関係性や個々人の置かれた社会的状況、すなわち、社会的孤立・孤独という問題と連関させて捉え直し、それらの因果関係も含めて縦断的な観点から検討を加える。そのため、夫婦関係と恋愛関係という2つの親密な関係を対象として、縦断調査ならびにペア調査を実施し、個人の特性や属性(パーソナリティ特性や社会経済的地位)と社会的孤立・孤独ならびに身体的、心理的IPVとの関連について検討を行う。
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研究実績の概要 |
「社会的孤立・孤独と親密な関係内の暴力との連関性の検討:個人特性と属性を踏まえて」への研究助成の初年度である令和5年度は、愛着スタイルやダークトライアドといったパーソナリティ特性と社会的排斥、また、親密な関係内の暴力との関連に関する論文のレビューを重点的に行うとともに、研究において使用する尺度について、尺度開発を行った著者とコンタクトを取りながら邦訳化を進めた。それらを踏まえて、研究計画を練り、現在結婚している人たちを対象に縦断調査を実施している。同一の回答者に対して、3回(3波)の調査を実施する予定であるが、昨年度は、第一波の調査を実施した。 上記の縦断調査は、夫婦関係における親密な関係内の暴力をターゲットとしたもので、第一波は、Web調査会社のモニターのうち、結婚している男女2484名を対象として調査を行った。調査尺度ならびに項目としては、1.デモグラフィック項目、2.愛着スタイル尺度、3.ダークトライアド尺度、4.社会的排斥経験についての尺度、5.関係へのコミットメント尺度、6.夫婦関係内の心理的暴力加害・被害等であった。 本研究の目的としては、愛着スタイルやダークトライアドといったパーソナリティ特性が、直接的に、親密な関係内の暴力を増大させるのではなく、そこに日常的な社会的排斥の経験が寄与しているのではないかという仮説を検討することである。 第二波は、令和6年度4月に実施しており、今後、第三波の調査を行う予定である。また、今回の研究結果については、今後、学会等で発表するとともに、学術誌等にまとめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究助成の初年度の令和5年は、愛着スタイルやダークトライアドといったパーソナリティ特性と社会的排斥、また、親密な関係内の暴力に関する論文のレビューを行った。また、研究において使用する尺度に関しても、オリジナルの論文の著者とコンタクトを取りながら邦訳化を進めた。それらに基づいて、調査、研究計画を練り、縦断調査の第一波の実施を行うことができた。第二波は、令和6年度4月に実施しており、今後、7月上旬に第三波の調査を行う予定である。それらは、当初予定していた計画から、若干の遅れはあるものの、現段階としては、研究の進捗状況は、おおむね順調に進展していると言える。ただし、第一波の調査データの分析に関しては、多少遅れており、令和6年度4月に実施した第二波の調査データの分析も含め、今後はそれらについての研究時間の捻出を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、令和5年に実施した現在結婚している人たちを対象に縦断調査の第二波ならびに第三波を実施する必要がある。現在、第二波の実施は終えたことから、7月上旬に実施予定である第三波の調査の準備を行っている。それらのデータについて入念な分析を行い、その結果をまとめて、学会等での発表ならびに学会誌への投稿を行っていく必要がある。 上記の縦断調査の研究目的は、愛着スタイルやダークトライアドといったパーソナリティ特性が、日常的な社会的排斥の経験を介して、親密な関係内の暴力を増大させるという仮説の検証にあるが、このような傾向は、夫婦関係のみならず、恋愛関係においても認められる蓋然性は高い。それゆえ、今後は、恋愛関係を対象とした同様の縦断調査を実施する必要があるだろう。このような調査は、上記の夫婦関係の縦断調査から得られた結果の頑健性を検討する上でも重要なものとなってくる。 さらに、令和5年に実施した夫婦関係の縦断調査は、個人を対象としたものであることから、今後、夫婦ペア調査を実施することで、上記の夫婦関係の縦断調査から得られた結果が、個人の認知に留まるものではなく、パートナーからの暴力被害とも関連性をもつものであることを示していく必要があるだろう。 今後は、それらの調査の実施を行いながら、愛着スタイルやダークトライアドといったパーソナリティ特性が、日常的な社会的排斥の経験を介して、親密な関係内の暴力を増大させるという仮説についてより入念な検討を行っていく予定である。
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