配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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研究実績の概要 |
いかにして集団内で協力行動を達成するかは学際的な問いだと言える。本研究では、集団内のリーダーの罰行動に注目し、社会的ニッチ構築(Yamagishi, 2011; Yamagishi & Hashimoto, 2016)の観点から、リーダーとフォロワーの行動が互いの社会環境をどのように作り出し集団への協力行動が維持されうるかを、実験室実験と進化シミュレーションを用いて明らかにする。罰を行使するリーダーが機能するためには、理論上、リーダーへ罰資源を提供するフォロワーの支援行動が不可欠である。しかし、罰を行使するリーダーがフォロワーからの支援を得られるとする実証的な証拠は極めて少ない。これに対して本研究では、フォロワーによる支援の阻害要因としてリーダーの専制化を挙げ、これを解消するリーダーの解任・選択プロセスを導入した実験室実験を実施する。さらに、そこで得られた解任プロセスを含むリーダー支援システムの中で、フォロワーとリーダーのどのような行動が安定して適応的になるかを進化シミュレーションで検討する。 1年目の今年度は、解任システムの探索的検討を行うため、実験室実験を行う予定だったが、研究代表者の所属変更に伴い、研究体制を十分整えられなかった。今年度は二次的ジレンマ問題に対する罰について先行研究のレビューを行い、いくつかのことを明らかにした。罰の種類に関しては、非協力者の利益を損なわせる方法(Baldassarri, D., & Grossman, G. , 2011)のほか、非協力者が公共財を使えないようにする(Fang, Y., Perc, M., & Xu, H., 2020)、報酬や辱め、嘲笑、排斥(Wiessner, P., 2005)、付き合うのをやめる(Zimmermann, M. G., & Eguiluz, V. M., 2005)などがあることが明らかになった。
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