研究課題/領域番号 |
23K02869
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
斎藤 聖子 杏林大学, 保健学部, 学内講師 (80853895)
|
研究分担者 |
三浦 大志 杏林大学, 保健学部, 講師 (80726084)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 優柔不断 / 意思決定 / 満足感 / 時間制限 / 熟慮 / 先延ばし |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの優柔不断に関する研究では優柔不断の不適応な面に焦点が当てられてきた。しかし不安や先延ばしなど優柔不断に関係する特性の多くはその適応的な面も見出されており、決定場面で慎重になることは納得した上で最適な判断ができるといった良い面もあると考えられる。本研究では長考によって、優柔不断な人の判断の質と満足感が向上するかを明らかにする。優柔不断な人にとって長考することが必要かを明らかにすることは、優柔不断な人の不適応な感情と行動のどちらに介入すべきかを提案することにも繋がると期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究はこれまで不適応な特性と考えられてきた優柔不断の適応的な面を明らかにすることを目的とする。決定場面で迷い慎重になることは選択に納得した上で最適な判断ができるといった良い面もあると考えられるが,優柔不断な人が迷うことによるメリットについてはほとんど検討されてこなかった。本研究では長考によって優柔不断な人の判断の質と満足感が向上するかを検討する。 2023年度は時間制限によって選択への満足度が変わるかを検討するため,大学生96名を対象とした実験を行った。架空の置き引き事件の捜査を課題とし,複数の情報から犯人を特定することが求められた。条件として2つの制限時間 (12分/30分)を設け,時間内に課題を終わらせるよう教示した。課題終了時に選択への満足感などの内観報告をさせ,優柔不断尺度に回答させた。結果として優柔不断者は制限時間が長い条件の方が満足度が高いことが示された。このことは長考が優柔不断者の満足感を上昇させる可能性を示唆している。さらに優柔不断尺度の下位因子の「熟慮」が,特に優柔不断者の長考による満足度上昇に影響していることが示された。下位因子の「先延ばし」に関しては,時間制限に関わらず高群の満足度が低かったため,先延ばし傾向の高い人の決定の満足感を上昇させるためには,制限時間の延長ではない別の方法が必要であると考えられる。これらの結果については国内学会で発表した。 第1実験の結果を踏まえて,第2実験として最適な判断ができるかについて検討するための予備実験に着手し,本実験に向けて調整中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画されていた3つの実験の内2つが実施中であり2024年度内に終了する見込みのため順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は実施した実験のデータ分析を行う。併せて、正解のない課題についての予備実験を行い、実験が開始できるように準備する。
|