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自己の「強み」の捉え直しが学級集団内地位と適応感の向上に及ぼすプロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K02887
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関愛知教育大学

研究代表者

石田 靖彦  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10314064)

研究分担者 鈴木 伸子  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70387497)
鈴木 美樹江  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20536081)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード人格的強み / 精神的健康 / 集団内地位 / 適応感 / 学級風土 / 自己の強み / 学級・学校適応 / 生徒間関係 / 学級集団の特徴
研究開始時の研究の概要

本研究では,自己の強みの捉え直しが学級内の地位格差の解消と学級・学校適応感の向上に及ぼすプロセスを解明する。具体的には,学級や学校において必要とされる具体的な強みリストを作成する。そして,生徒の強みと学級内での人間関係,集団内地位,適応感,クラス全体の活力との関連について,学級集団の特徴を考慮に入れて検討する。さらに,自己の強みの捉え直しに関する授業プログラムを開発し,それが学級内の人間関係を媒介として,適応感と学級全体の活力を同時に高める条件とその影響過程を明らかにする。

研究実績の概要

自分の「強み」を認識したり活用したりすることは精神的健康を高めることが明らかにされている(阿部他,2021;大竹他,2005)。ただし,集団によって求められる強みは異なり,その集団での地位や適応感に関連する強みは,集団によって異なる可能性がある。
令和5年度は,令和6年度の中学校での実践研究に向けた基礎的研究として,主として3つの研究を行った。
研究1では,中学生でも理解できる「強み」の具体例の収集を行った。教員養成大学の大学生約100名を対象にして,24の強みのそれぞれについて,小学生高学年から中学生でも理解できる具体例を自由記述により収集した。それらをKJ法等で分析したところ,それぞれの強みの具体例は,それぞれ数個にまとめられることが示唆された。
研究2では,中学校18学級,約400名を対象にして,自分の強みの認識と学級集団内地位,学級適応感との関連が,学級風土によってどのように異なるのかに関する調査を実施した。学級風土の下位尺度得点を用いて学級を分類したところ,学級としてのまとまりの高い「統合型学級」とまとまりの低い「非統合型学級」の2つに分類された。生徒の強みと学級集団内地位,学級適応感との相関を,「統合型学級」と「非統合型学級」別に算出したところ,「統合型学級」の相関は「非統合型学級」での相関にくらべて高かった。このことから,集団としてのまとまりが低い学級では,それぞれの生徒の強みが発揮されにくい可能性が示唆された。
研究3では,中学校での調査と比較する目的で,大学生約150名を対象として,自分の強みの認識,強みの重要度,適応感との関連に関する調査を実施した。中学生と類似する点がある一方で異なる結果も認められ,中学生の強みの特徴を大学生と比較することである程度明確にできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は,主に3つの研究を実施した。
研究1では,中学生でも理解できる「強み」の具体例の収集を行い,それらの分類・整理を行った。
研究2では,中学生を対象にして,自分の強みの認識と学級集団内地位,適応感との関連について,学級風土の違いに着目して検討した。その結果,学級としてのまとまりの弱い学級では,生徒の強みが認められにくい可能性が示唆された。
研究3では,中学生と比較するために,大学生を対象にして,自分の強みの認識と学校生活での強みの重要度,適応感との関連に関する調査を実施した。
以上の研究から,中学生の強みの特徴や集団内地位,適応感との関連,学級風土による違いなどについて,基礎的なデータが収集できた。ただし,中学生の強みの具体例の分類・整理に時間がかかり,中学校教員によるチェックまではできなかったため,これについては令和6年度に実施する。

今後の研究の推進方策

令和6年度は,中学生の強みの具体例について,小中学校教師によるチェックを行い,具体例の精選と適切性について検討する。
また中学生を対象とした強みに関する実践的な授業案を考案し,その授業を中学生を対象に実施する。そして,生徒の学級集団内地位や適応感の変化を縦断的に測定し,授業実践の効果について実証的に検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 自己の強みと学校適応感との関連―学校生活での強みの重要度を考慮に入れた検討―2024

    • 著者名/発表者名
      石田 靖彦・鈴木 伸子・鈴木 美樹江
    • 学会等名
      日本学校メンタルヘルス学会第27回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 学校における強み介入が小学校高学年児童の心理的健康に及ぼす効果2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 伸子・石田 靖彦・鈴木 美樹江・中川 照美・伊藤 くるみ
    • 学会等名
      日本教育心理学会第 65 回総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学校における強み介入の効果に関する検討ークラスメイトがみつけてくれた強みを手掛かりに―2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 伸子・石田 靖彦・森田 幸一郎・鈴木 美樹江
    • 学会等名
      日本学校心理学会第25回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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