研究課題/領域番号 |
23K02903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
佐久間 路子 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (30389853)
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研究分担者 |
小保方 晶子 東京医科大学, 医学部, 客員研究員 (00442088)
堀江 まゆみ 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (50259058)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 過剰模倣 / ロボット / ドイツ / 社会文化的要因 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の子どもは目的達成とは関連のない行動も含めた過剰模倣を行うことが示されている。本研究は日本の3歳~6歳の子どもに過剰模倣の実験的観察を行い、第一に、年齢、課題による違いを検討し、過剰模倣研究が進んでいるドイツとの比較から、過剰模倣に影響を及ぼす社会文化的要因を明らかにする。第二に、日本の子どもがロボットを過剰に模倣するのか、ロボットの条件の違いから明らかにする。第三に、過剰模倣の個人差、社会性との関連、障害特性差を明らかにする。本研究は過剰模倣の発達的意味を明らかにするとともに、ロボットと人間とのコミュニケーションの違いを探ることを通して、ロボットの発展的活用に向けて基礎的知見を提供する。
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研究実績の概要 |
1年目の目的は、4~7歳児を対象に、過剰模倣に関する複数の課題を用いて実験的観察を行い、子どもの年齢、課題による違いを明らかにし、さらに過剰模倣研究が国際的に進んでいるドイツとの比較から、過剰模倣に影響を与える社会文化的要因を明らかにすることである。過剰模倣の標準的な課題の他に複数の課題を設定することで、過剰模倣の様相を多角的に明らかにする。また、子どもの社会性を調べる質問紙を保護者に実施し、実験課題との関連を検討することで、過剰模倣の個人差の要因を明らかにする。さらに子どもにインタビューを行い、過剰模倣を行った理由を質的にも明らかにすることを目的としている。 ドイツとの比較研究を行うために、2023年7月に研究代表者および分担者がドイツのハイデルベルク大学を訪問し、Pauen教授らと実験の詳細の打ち合わせを行った。実験課題を日本で実施するために、ドイツで使用している実験用具を持ち帰り、実験の手順や教示の翻訳を行った。さらにドイツと同様の実験に加えて、日本独自の調査として、過剰模倣を行った理由をたずねるインタビューを行うこと、子どもの社会性を測定するために保護者に対して自己制御能力尺度およびSDQの向社会的行動尺度を含む質問紙調査を行うこととした。 実験準備を進め、2024年3月に保育園2園において55名を対象に、クッキー課題(Non-functional課題)、塗り絵課題(Non-normative課題)、タワー課題(Counter-intuitive課題)の3つを実施した。実験群の子どもには、実験後、各課題の反応の理由について尋ねた。実験結果は、Bach & Pauen(2023)に基づき分類し、年齢差、課題による差を分析するとともに、保護者が回答した対象児の質問紙との関連を検討するために、実験結果および質問紙調査の結果の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者および分担者が、ドイツに訪問し、具体的な実験の打ち合わせができたこと、ドイツでで実施されている実験をもとに、日本独自の調査を含めて実施の準備を行ったことについては、おおむね順調に行うことができた。しかし調査の実施に際しては、開始が2024年3月になったことから、保育園において4~6歳児を対象とした調査しか実施ができず、7歳児に対しての調査ができていない状況である。また実験を行ったところ、子どもの模倣反応にかなりのバリエーションがあったため、ドイツの実験結果との比較のために、さらなる打ち合わせが必要となっている。実験が終了していないために、質問紙調査との関連を含む統計的分析も、2年目以降に実施をする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1年目に予定されていた調査が完了していない状況であるため、近隣の児童館や子育て広場を通じて7歳児を中心に対象者を募り、1年目の調査を継続して実施する。調査結果の分析に際しては、ドイツの実験結果との比較のために、ドイツの研究協力者とオンラインでの打ち合わせを実施する。また日本独自の調査の結果を分析し、過剰模倣の個人差について検討を行う。 さらに2年目に予定されているロボットを用いた課題を行う準備を進める。
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