研究課題/領域番号 |
23K02905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
木村 美奈子 名城大学, その他部局等, 准教授 (50457917)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自己認知 / 映像理解 / 自己映像理解 / シンボル / 幼児期 / 表象機能の発達 / 表象 / 写真 / 表象発達 / ヴァーチャルリアリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本課題の目的は、幼児の自己映像理解の発達過程を解明することにある。これまでの自己認知の研究は、鏡やビデオ映像に映る自己像の認識を問題としているが、そもそも鏡やビデオ映像などの虚空間の理解については、自己認識と関連して検討されることはなかった。申請者はこの点に着目し、「自己認識」と「映像理解」の成立過程を統合的に捉えた、新たな自己映像理解の実験的な指標を開発し、実施することで、幼児の自己映像理解の発達モデルの構築を目指す。また、横断的な実験のみではなく、自己概念の発達に焦点を当てた子どもの行動の観察や、その保護者に対する聞き取り調査を縦断的に行い、より詳細に自己理解の発達の様相を解明する。
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研究実績の概要 |
近年、スマートフォンやタブレット端末の普及により、子どもは非常に幼い頃から自己の映像を含む様々な映像に触れながら成長する。このような子ども達の自己認知の発達はいかなるものか。 自己認知の発達に関する先行研究によると、鏡やビデオを用いた自己映像の認識課題が行われ、鏡では 2歳ごろ、ビデオではそれよりも遅れて(特に録画遅延条件では4歳ごろに)自己認知が成立すると考えられてきた。一方、映像理解の発達においては、申請者らの研究から、5歳でも人や物の映像とその実物を完全に区別して理解することは困難であることが示された。上記の自己認知課題は映像を用いて行なっていることから、自己映像の理解が、人や物の映像理解より先立って成立する理由は検討に値するが、これまで問題にされることはなかった。そこで本研究では、自己認知と映像理解の成立過程を統合的に捉える新たな実験的研究をデザインし、実施することを目的としている。また、自己概念の発達に焦点を当てた子どもの行動の観察や、その保護者に対する聞き取り調査を縦断的に行い、より詳細に自己理解の発達の様相を解明したいと考えている。 初年次は、理論的基盤を構築するために、映像理解の発達に関する論文をレビューするとともに、自己意識と自己認知に関する文献研究を行った。映像理解に関する研究については、これまでに行った実験をまとめて、論文を執筆中である。また、自己や他者の映像に対する1歳児の反応についての行動観察を継続的に行ない、保護者にも聞き取り調査を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、自己認知と映像理解に関する理論的基盤づくりを中心に計画していた。そのため、映像理解については論文のレビューを行い、それを元に論文を執筆している。自己認知に関しては、最近出版されている自己意識に関する文献を複数読み込み、理論構築へ繋げる作業を行なっている。また、自己の理解の発達を縦断的に調べるために、1歳児の映像に対する行動観察や保護者へのインタビューを実施していることから、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、幼児を対象にした自己映像理解の実験を行う。また、引き続き、1歳から5歳までの幼児を対象に、自己概念の発達に関連する行動観察を行い、その保護者にもインタビューを実施することを考えている。 映像理解のについては、執筆中の論文を完成させる予定である。
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