研究課題/領域番号 |
23K02927
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
松中 久美子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (90368457)
|
研究分担者 |
正井 隆晶 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80880632)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 視覚障害 / 睡眠教育 / 睡眠習慣 / ストレス反応 / 活動量 / 学習意欲 / 睡眠 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では視覚障害を持ち合わせる児童・生徒の睡眠教育カリキュラム作成に必要な情報を集めるための基礎的調査を行い、それらの結果を踏まえて視覚障害児に向けた睡眠教育プログラムを構築する。初年度は視覚障害児の睡眠習慣、ストレス反応、学校適応の実態について明らかにし、それらの関連について検討すると共に、支援学校・支援学級における睡眠教育の現状についても調査を行う。次年度以降は視覚障害児を対象とした睡眠教育カリキュラムの構築を行う。視覚障害を持ち合わせる児童・生徒向けに、具体的な指導方法を作成し実践することで、その効果について明らかにする。
|
研究実績の概要 |
令和5年度の研究実施計画のうち、視覚支援学校を対象とした睡眠教育の現状に関する調査は予定通り実施した。全国の視覚支援学校66校に質問紙を配布し, 50 校から回答を得た(回収率75.8%)。睡眠に関する授業の実施については、行っていないと回答した学校がおよそ5割から6割程度あった(小学部61.1%、中学部 53.9%)。その理由としてもっとも多かったのが、“必要性がない”(小学部51.5%, 中学部32.1%)、ついで“方法がわからない” (小学部15.2%, 中学部25.0%)や“時間の確保が困難”(小学部18.2%, 中学部14.3%)であった。その他、“授業をできる教員がいない“という回答も散見された。実施者については、小学部では担任が最も多く(66.7%)、次いで養護教諭であった(23.8%)。中学部においては、保健体育教員が最も多く(66.7%)、次に担任が多く実施していた。(29.2%)。睡眠が成長に与える影響や、年齢を問わず睡眠時間が短いという日本全体の傾向に鑑みれば、教員や保護者に対する睡眠教育も必要ではないかと考えられる。 視覚障害児童生徒を対象とした睡眠習慣についての実態およびストレス反応、日中の活動量、学習意欲、歩行能力との関連についての調査は、調査依頼から実施までの日程調整等に時間を要したため、調査は終了しているが、現在分析中である。アクチグラフを用いた睡眠と日中の活動量に関する客観評価も同様の理由により、ようやく測定が終了した段階にあり、現在分析を進めている状況である。なお、当初の予定では、単一の視覚障害を持ち合わせる小学部および中学部の児童生徒を対象として、研究への協力依頼を行っていたが、条件を満たす児童生徒の数の少なさから、対象者を高等部の生徒まで広げることとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度の実施計画には、調査結果を踏まえて視覚障害児を対象とした睡眠教育カリキュラムを作成するところまで含まれていたが、現在、調査結果の分析途中となっている。調査依頼から実施に至るまで時間を要したことが主な理由であるが、その間には、遠方の対象校を含めて、学校行事予定との調整、保護者への説明とインフォームドコンセント、児童生徒への確認など、多くの手順が必要であった。睡眠教育カリキュラム作成に当たっては、これまで行われた晴眼の児童生徒を対象としたものを参考にしつつ、視覚障害児童生徒の現状に合わせた内容を検討する必要がある。視覚障害に起因する日中の活動のしずらさや、光刺激の取り入れにくさが睡眠に影響するのかなど、質問紙調査と活動量の客観指標から得られた結果を総合的に分析し、睡眠習慣との関連について明らかにする必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度の計画では、計4回の睡眠教育プログラムを実施することとしていたが、令和5年度の計画がやや遅れていたことと対象校の負担を考慮し、回数を減らして実施することとする。カリキュラムの作成にあたっては、当初の通り、わかりやすさ、面白さ、興味の度合いを評定させ、各介入の前後で睡眠に関する知識の変化を評定し、カリキュラムの内容的妥当性について検討する指標とするが、協力者の数によっては対象者の年齢層を高等部生にまで広げて実施する。データの分析等においてはアルバイトを雇用し、研究の推進を図る。
|