研究課題/領域番号 |
23K02939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
村上 裕樹 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (40600325)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | マインドフルネス / 認知症 / 生理指標 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化は先進国において大きな課題となっており,特に健康寿命とのギャップが問題視されている。健康寿命を短くする一因として認知症が挙げられるが,近年ストレスが脳を委縮させ,認知症の発症に関連することが明らかにされてきた。ストレスを低減するアプローチとしてマインドフルネスが注目されており,脳構造にも影響を与えることが明らかになってきた。そこで本研究では,マインドフルネスを中核とした高齢者に適したストレス低減プログラムを開発し,認知機能や生理指標が改善されるかを検証する。
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研究実績の概要 |
ストレス低減効果のあるマインドフルネスでは,さまざまなトレーニングが用いられているが,その中でも周囲の音に意識を置く教示や,呼吸への注目やボディースキャン,自分の動作への注目といった身体感覚に意識を置く教示が多く用いられている。これらの教示は他の心理療法にも含まれており,ひいてはストレスの低減をもたらす重要な要素と考えられる。しかしながら,これまでさまざまなトレーニング法における効果の違いについて,その精神生理学的メカニズムを検討した例は限られており,未解明な点が多く残されている。そこで2023年度は,マインドフルネスの基本的なトレーニングである周囲の事物や自分の身体感覚に注意を向ける操作を行い,その際の生理指標を測定することで,マインドフルネスや他の心理療法にも共通する作用機序を解明することを目的として実験を実施した。 参加者を呼吸に意識を置く群,換気扇の音に注意を向ける群,特別な対処を行わない群に分けて実験を実施した。初めにベースラインとして10分間安静にしてもらい,次に計算課題を5分間実施した。その後,15分間安静にしている間に各条件の操作を実施してもらった。最後に,すべての群で10分間安静にしてもらった。各測定区間の後に主観指標を測定し,ベースラインの後,注意操作の後,安静後に唾液を採取した。 その結果,室内の音に意識を向けたり,自分の呼吸に意識を向けることで,ネガティブ感情やストレス感が低下することが明らかとなった。しかしながら,唾液中のコルチゾール値は,自分の呼吸に意識を向けた際にのみ低下した。呼吸に意識を向けることで,15分間という短時間でもストレスホルモンを抑制する効果があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外的な事物である室内の音に意識を向ける操作と,自分の身体に意識を向ける操作を分けて実施し,ストレスホルモンに及ぼす影響の違いを検討することができた。また,その研究成果を学会で発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
マインドフルネス傾向を測定する質問紙(5因子マインドフルネス尺度)と認知機能や生理指標の関連性について検討する。
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