研究課題/領域番号 |
23K02947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
牧田 潔 愛知学院大学, 心理学部, 教授 (00455560)
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研究分担者 |
大澤 智子 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, その他部局等, 上席研究主幹 (70455559)
真船 浩介 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (50441829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 職場のストレス / メンタルヘルス / 惨事ストレス / 職場のメンタルヘルス / ストレス / 組織管理 |
研究開始時の研究の概要 |
消防職はストレスへの曝露が高い職業であり、かつ階級制度による上下関係のある組織風土のため、それらを原因としたメンタルヘルス不調が問題となっている。これまで消防組織特有の「職場のストレス」が職員のメンタルヘルスに与える影響は明らかになっているが、その予防や対策の検討は進んでおらず組織による管理体制を整える必要がある。 本研究では組織管理に着目し、消防組織における職場のストレスを包括的に扱うストレス管理モデルを作成し実証実験を行う。ストレス管理モデルをもとに組織による職場環境づくりの仕組みを確立させ、イキイキと働ける職場にすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は消防職員を対象として組織管理の視点から職場のストレスである惨事体験・ハラスメント・日常業務による精神的負荷を包括的に捉え、メンタルヘルス上の問題を予防することを目標とし、ストレス管理モデルを構築し実証実験を行い効果検証することを目的としている。本研究は4か年計画であり、その初年度である2023年度は次の目標を設定し研究を開始した。具体的には①研究班の立ち上げと研究に協力する消防本部の決定,②質問紙及び聞き取りによる惨事ストレス等心理的危機の実態把握とその対応に関する調査,③本研究に関連する文献を収集しこれまでの知見の整理,④ストレス管理モデルのブラッシュアップである。 これらの目標に沿って本年度の研究実績を次に示す。①:本研究ではモデルの効果検証のため、消防本部に対してストレス管理モデルを基にしたプログラムの介入を計画している。介入群と統制群となる消防本部の選定を行い、2つの消防本部の協力を得ることができた。研究班の立ち上げについては当初のメンバーに加え、新たに職場環境の専門家を分担研究者として迎え研究体制の強化を図った。②:研究協力を得られた消防本部職員の同意を得て、聞き取りによる実態把握を行った。結果は災害などの有事を経験した職員はわずかであるものの、日常業務のなかで惨事体験を有する職員は一定数存在した。また、平時においても職場の対人関係により心理的危機を経験している職員が存在していることが明らかとなった。これらは次年度の惨事ストレス等心理的危機に対するケアサポートの体制づくりの参考資料とする。③および④:職業的救援者のメンタルヘルス予防に関する研究は多くはないが、メンタルヘルス予防は個人だけでなく組織による取り組みを課題とする報告が複数得られた。これらの知見や聞き取りによる結果を参考にモデルを精緻化させ、小集団でも遂行容易なプログラム実施法へと改善した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標は概ね達成できたと思われるが、実態把握において予定では質問紙を用いる計画であったが、聞き取りを行うことで必要とする情報が得られたことから質問紙調査の実施は見合わせた。また、次年度に向けてモデルの精緻化と実施方法の具体的な検討を行った。その一方で、協力する消防本部において業務上のアクシデントが発生し、研究受け入れへの準備が先延ばしになったことにより、次年度の実施計画にやや影響を与えることが懸念される。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況でも述べたように、協力する消防本部において、研究受け入れへの準備が先延ばしになったことにより次年度も研究計画に若干の遅れが生じる可能性がある。主な理由としては全体実施の準備に時間を要するためである。そのため対応策としてはプログラム実施の条件が整った部署より先行的にプログラムを開始することで、全体の遅れの影響を最小限なるよう研究を推進していく予定である。
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