研究課題
基盤研究(C)
不安症は児童青年期における代表的な精神疾患である。本研究では,日本で開発された文化適応型認知行動療法(Cultural-Adapted Cognitive Behavioral Therapy: CA-CBT)と,海外で開発され日本に導入されたプログラム採用型認知行動療法(Program-Adopted Cognitive Behavioral Therapy: PA-CBT)を遠隔形式で実施し,その有効性をランダム化比較試験によって検討する。さらに詳細な媒介要因分析(mediator analysis)によって,CA-CBTとPA-CBTの作用機序の共通性・特異性を明らかにする。
不安症は児童青年期における代表的な精神疾患である。本研究では,日本で開発された文化適応型認知行動療法(Cultural-Adapted Cognitive Behavioral Therapy: CA-CBT)と,海外で開発され日本に導入されたプログラム採用型認知行動療法(Program-Adopted Cognitive Behavioral Therapy: PA-CBT)を遠隔形式で実施し,その有効性をランダム化比較試験によって検討することを目指す。2023年度は,翌年度以降のランダム化比較試験で使用する,CA-CBTとPA-CBTのマニュアルの整備と,実施者のトレーニングを行なった。いずれの介入も個別形式で行うことを想定したものであり,60分×10セッションから構成されている。加えて,子どもの不安症のアセスメントに用いる構造化面接を遠隔形式で実施できるように構成し,トレーニングが行われた。認知行動療法の実施とアセスメントの担当者は経験豊富なスーパーバイザーから継続的にスーパービジョンを受ける。本研究のプロトコルは「関西学院大学人を対象とする生命科学・医学系研究倫理委員会」において倫理審査を受け,近日中に承認を得る予定である。
3: やや遅れている
研究代表者は2024年度に所属機関の制度によりアメリカに1年間滞在することとなった。これに伴い,共同研究機関の同志社大学との連携のもとで,研究代表者のアメリカ滞在中も研究を遂行できる準備を整えるため,同志社大学において2024年度に雇用するスタッフの確保やトレーニングを2023年度に集中して行なった。幸いなことにスタッフの確保には目処が立っており,新しい年度からは当初計画からの遅れを取り戻せる予定である。
2024年度には本研究のプロトコルについて,「関西学院大学人を対象とする生命科学・医学系研究倫理委員会」からの承認を得る。また,UMIN臨床試験登録システム(UMIN-CTR)に本研究のプロトコルを登録する。これらの準備が整い次第,ランダム化比較試験の対象者募集を開始する。対象者の選択基準は①8歳から15歳の子どもとその保護者であり,②親子で定期的にプログラムに参加することが可能であり,③子どもがADISに基づき不安症の基準を満たす,とする。除外基準は,①外在化障害,物質乱用,統合失調症,発達障害等に合致する,②薬物療法など他の治療を受けており治療内容の一定化等の調整ができない,③その他,安全面等を考慮して研究代表者が対象者として不適当と判断する,とする。CA-CBT群とPA-CBT群は1回60分の心理面接セッションに10回参加する。研究代表者・研究分担者が適宜スーパービジョンを行うほか,両サイトにおける研究遂行状況を定期的にモニターし,研究チーム全体で自己点検を実施しながら対応を行う。MEC群には,文部科学省の推奨する道徳に関する副読本の電子版を配布し,途中2回のWeb会議セッションを設けて状況を確認する。終結直後査定までの間の期間は,おおよそ2カ月半となる。なお,集結後の進捗を確認するために,必要に応じて3~5回を目安にして担当者の判断によって,ブースターセッションを実施する。その後,MEC群は終了時点で,CA-CBT群またはPA-CBT群に改めてランダムに割り付けられる。アセスメント(おおよそ60-120分)はプログラム開始前,3ヶ月後(終結直後),6ヶ月後フォローアップ,12ヶ月後フォローアップの時点で行う。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
BMJ Open
巻: 13 号: 7 ページ: e068855-e068855
10.1136/bmjopen-2022-068855
関西学院大学心理科学実践
巻: 4 ページ: 1-3