研究課題/領域番号 |
23K02958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
平野 真理 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50707411)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | レジリエンス / 対話 / ペアワーク / 予防的心理支援 / 対話的関係 / 予防的支援 |
研究開始時の研究の概要 |
レジリエンスを促進するためのアプローチのほとんどは、「個人」が能力を向上させることを前提としているが、本研究はでレジリエンスを個人の内在的能力としてのみとらえるのではなく、個人を取り巻く他者との関係の中に存在する力として捉え、対話的関係を通じてレジリエンスを促進する臨床心理学的アプローチを提案する。 「レジリエンスは人との関係を通していかに促進されるか」という問いのもと、①関係によるレジリエンスの変化を捉える尺度作成、②対話的関係(友人、パートナー、親子)を通したワークの試験的実践を行い、③関係によるレジリエンスの促進の中核要因を検討した上で、④本アプローチのコア・プログラムを考案する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、レジリエンス(ストレス状況における適応・回復力)を、内在的能力としてのみ捉えるのではなく、個人を取り巻く他者との関係の中に存在する力として捉え、「対話的関係」を通してレジリエンスを促進する臨床心理学的アプローチを考案することである。 令和5年度はまず、(1)他者との関係を通して促進されるレジリエンスを捉える尺度作成のための基礎調査、および(2)対話的関係の中でお互いのレジリエンスを促進することを目指したペアワークの試験的実施を行った。具体的には以下のとおりである。 (1)ー①「身近な他者との関わりによって『落ち込みから回復する力』を得た体験」について回想する対話データを15名分取得し、想起され得るエピソードや要素の抽出を試みた。②それをもとに、自由記述によってエピソードを収集するためのアンケート調査票を作成して予備調査を行い、本調査に向けた準備を整えた。 (2)箱庭の作成とその後の対話を通してレジリエンスに気づくためのペアワークを実施した。10名の参加者による作品と体験の振り返りから、箱庭を用いることで自分がこれまでに得てきた関係的なレジリエンシーへの気づきが賦活される可能性を確認できた。 その他、個人のレジリエンスの発達的変化に関する基礎的知見を得るための調査および論文化にも取り組んだ。これらをもとに、関係性の中に生じるレジリエンスを捉える枠組みの精緻化および尺度作成と、「対話的関係」を通してレジリエンスを促進するための効果的な方法の検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目に実施する予定であった尺度作成のためのアンケート調査について、実施前に予備的なインタビュー調査が必要であると判断したため、今年度の実施ができなかった。 一方で、促進アプローチのための試験的実施については進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施予定であった尺度開発については、すでにアンケート調査が準備段階まで整えられているため、次年度はじめに実施し、その結果の質的分析を経て尺度作成のための調査に取り掛かる。 同時に、促進アプローチについては、順次、実施可能な対象ごとに効果的なアプローチを検討していく。
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