研究課題/領域番号 |
23K02972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
尼崎 光洋 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (70613967)
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研究分担者 |
煙山 千尋 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (10615553)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 性感染症 / HAPA / 実行意図 / 心的対比 / コンドーム |
研究開始時の研究の概要 |
日本人のリスク認知の特徴として、その時々にメディア等で注目されるリスクが唯一絶対のリスクとして認知する傾向にあり、COVID-19の報道が多い現時点では、性感染症へのリスクが低く見積もられている可能性がある。そのため、COIVD-19大流行下では、性行動が活発になる若年層に対する予防的教育が急務である。そこで、本研究の目的は、異性間の性交渉におけるコンドームの使用に対する実行意図を形成するために、Mental Contrasting with Implementation Intention (MCII)を用いた介入を行うことで、実際のコンドームの使用が促進するのかを検証することである。
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研究実績の概要 |
COVID-19パンデミック以降、世界的に性感染症の増加が懸念されており、特に日本においては梅毒の増加が顕著であることから、性活動が活発になる若年層の性感染症の予防のための方略を構築することが急務である。そこで、本研究の目的は、大学生を中心とした若年層の特徴を加味しつつ、性感染症の予防を目的とした異性間の性交渉におけるコンドームの使用に対する実行意図を高める教育プログラムを開発することとした。 2023年度は、異性間の性交渉において、コンドームの使用を拒む提案をした/された場合、どのような対応を好むのかを検討するために、文献研究を行った後、女子大学生8名に予備調査としてインタビュー調査を行った。調査内容は、文献研究で得られたコンドームの使用を拒む提案をされた際の好ましい対応を複数回答で選択させた。予備調査の結果から、コンドームの使用を拒む提案をした/された場合の好ましい対応を男女別に準備項目を作成した。本調査の対象者を選定するために、18-29歳の未婚の日本国籍の成人5000名を対象にスクリーニングWeb調査を実施した。調査項目は、国籍、過去1年間の性行為が可能なパートナーの有無、妊娠を目的としない性行為の有無等であった。調査の主な結果として、日本国籍4554名(91.08%)、「異性の特定のパートナーのみいる」者が1410名(28.2%)、「異性の不特定のパートナーのみいる」者が94名(1.88%)、「異性の特定・不特定のパートナーがいる」者が93名(1.86%)であった。また、過去1年間に「妊娠を目的としない性行為がある」者が1710名(34.16%)であった。スクリーニングWeb調査の結果から、日本国籍であり、過去1年間に性行為が可能なパートナーを有し、妊娠を目的としない性行為のある成人989名を本調査の対象者とした
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
支給された研究費から、当初予定していたインタビュー調査規模の大幅な変更が強いられたため、2023年度に実施予定の研究計画を見直すこと、さらに調査協力者を確保するのに時間を要した。また、同年度に外部資金による他の研究課題があり、期間終了が間近の課題の完了を優先して従事したため、本研究課題に対して腰を据えて研究業務ができない状況であった。その他に、進捗状況を著しく後退させた原因として、本務校において、研究計画作成の当初には想定し得ない業務に多大な時間と労力を要したため、研究を開始・進行できない事態に見舞われ、本研究課題の進捗は、不本意ながら当初の予定より遅れている。 現在、2023年度内に予定していた本調査(Web調査)はすでに完了させており、2024年度に予定している調査に向けて速やかに準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度内に完了予定であった調査は、すでに2024年度4月に完了しており、進捗状況の遅れを取り戻している。今後は、HAPAモデルにコンドームの使用を好む提案をした/された場合の好ましい対応の要因を組み込み、新たな予測モデルの検討を行う。また、2025年度に予定している介入研究において、コンドームの使用に関わる羞恥心の存在が報告されていることから、介入参加への抵抗感を提言することを目的としたインセンティブを探索的に検討することを予定している。
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