研究課題/領域番号 |
23K02987
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小川 成 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90571688)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 機械学習 / 認知行動療法 / パニック症 / 治療効果予測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、パニック症に対して認知行動療法を実施し、そのデータをもとにベースライン での特性により治療反応を予測する機械学習モデルを開発する。 これにより、ベースラインの性格特性や臨床特性を説明変数とする機械学習モデルがパニック症に対する認知行動療法終了時・3か月後の治療反応を予測するかを検証していく。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、パニック症に対して認知行動療法を実施して治療前後、治療3か月後のデータを収集し、ベースラインでの性格特性や臨床特性による治療反応を予測するモデルを機械学習の手法を用いて開発することである。 方法として、まず1グループ3~4名のパニック症患者に対して集団認知行動療法を行う。プログラムはAndrewsら(2003)のマニュアルを参考にして作成され、2001年より名古屋市立大学にて実施されているものである。1回約2時間のセッションを計10回実施し、内容はプログラムへの導入・呼吸法、認知再構成(考え方のレパートリーを増やす)状況暴露(苦手な状況に暴露する)、身体感覚暴露(苦手な身体の感覚に暴露する)、実生活での実践、まとめ(再発予防)である。評価として、開始時に性格特性を評価するため代表的な尺度である NEO Five-Factor Index (NEO-FFI)を実施する。また、臨床特性としての不安感受性を評価するためAnxiety Sensitivity Index (ASI)を実施する。終了時評価として、介入終了後にパニック症の重症度を測定する尺度としてMIを実施する。また、終了後評価として、介入終了3か月後に、パニック症の重症度を測定する尺度としてMIを実施する。その上で、データをもとに機械学習の手法を用いて治療反応予測のモデルを構築する。 初年度は現在収集中の社交不安症の認知行動療法に関するデータをもとに構築した治療反応予測モデルについて日本精神神経学会にて口頭発表し、ドロップアウト予測のモデルを日本認知・行動療法学会でポスター発表した。また現在収集中のデータをもとにパニック症認知行動療法のドロップアウト予測モデルにつきABCT(Association of Behavioral Cognitive Therapy)にてポスター発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
認知行動療法の治療効果予測のモデルにつき国内・国外での学会発表をすることができ、複数の研究者からの研究をブラッシュアップさせうるコメントをいただいた。また日本精神神経学会では優秀発表賞もいただき、機械学習を用いた二次データ解析研究の意義を理解していただくことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
計画の変更はなく、現状のペースで研究を遂行していく。2024年度は引き続き収集中のデータを用いて機械学習による各種予測モデルを構築していくとともに、X-AI(解釈可能なAI)の観点から解釈可能なモデルの構築も目指したい。さらに学会発表だけではなく、論文化も進めていく。
|