研究課題/領域番号 |
23K02989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 埼玉学園大学 |
研究代表者 |
遠藤 寛子 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (30364425)
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研究分担者 |
青山 郁子 都留文科大学, 文学部, 教授 (60586808)
飯田 順子 筑波大学, 人間系, 准教授 (90383463)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | いじめ / スティグマ / ケアプログラム / 心理教育 / 保護者 / セルフ・コンパッション |
研究開始時の研究の概要 |
いじめ被害者の心の傷は,時間が経過して癒えるというわけではないことがこれまでの研究において示されてきた。被害後のケア方法の確立は急務である。 本研究では相談できない背景に関わる要因として被害者へのパブリック・スティグマと被害者自身が抱くセルフ・スティグマに着目し,相談を行う側である被害者自身と,その相談を受ける側としての保護者の双方に対する調査を実施する。 さらに,両スティグマによるネガティブな影響を緩衝する要因としてセルフ・コンパッションに着目し,いじめ被害者へのケアプログラムおよび保護者を対象とする被害者へのケアに向けた心理教育プログラムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
近年,全般的にいじめの増加傾向が著しい。いじめ被害を受けた後,被害者は相談を躊躇する傾向にあるばかりか精神的健康も害され,生涯にわたり苦痛を抱え続けることが示されてきた。被害後のケア方法の確立は急務である。 今年度では,いじめ被害者へのパブリック・スティグマ,セルフ・スティグマに着目し,大学生ならびに保護者に対する調査を実施することを予定していた。 実施した内容は以下の通りである。 第一に,大学生,保護者を対象に,いじめ被害者に関わるパブリック・スティグマに関する質問紙調査を行った。また,被害経験有・無とパブリックスティグマとの関連性についての検討も行った。さらに,いじめ被害者へのパブリックスティグマ尺度の作成を目指し、候補項目の選定に向けて内容的妥当性を検討した。 第二に,大学生と保護者を対象に傍観者,加害者に抱くイメージについても質問紙調査を実施し,被害経験との関連性についても検討した。 第三に,加害行動を助長させ得る可能性のあるシャーデンフロイデ,妬みに着目し,それらを抑止する要因についても文献研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いじめ被害者に関する質問紙調査は,予定通り,大学生ならびに保護者を対象に実施している。また被害経験の有無との関連,さらには傍観者,加害者に関する自由記述式の調査も実施している。この結果の一部は2024年度の心理学会にて報告する予定にもなっている。しかしながら,いじめ被害者自身への調査に関しては検討課題が多かったため,当初計画していた以上の時間を要することとなった。よって,いじめ被害者対象の調査に関しては慎重に進めていることもあり,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,相談を行う側である被害者自身とその相談を受ける側としての保護者の双方に対する調査を実施する予定である。保護者(被害者の保護者以外も含む)を対象に,パブリック・スティグマ,セルフ・スティグマによるネガティブな影響(支援態度)の関連性を明らかにする。いじめを経験した被害経験者を対象に,スティグマの様相を捉え,ネガティブな影響(健康度,相談意欲)の関連性についても検討を進める。 学会発表、論文執筆を通して成果報告を行う予定である。
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