研究課題/領域番号 |
23K02995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
吉野 真紀 日本福祉大学, 教育・心理学部, 教授 (60548402)
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研究分担者 |
鷲見 聡 金城学院大学, 看護学部, 教授 (20305527)
木下 真也 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70534098)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 性別違和感 / 性別違和感尺度 / ジェンダー / 大学生 / スクリーニング / 最適カットオフ値 / 思春期青年期 / 心理的支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、浜田ら(2016)の性別違和感尺度(以下、GDS)を用いて、思春期青年期(一般高校生および大学生)の性別違和感の実態について調査する。また、思春期青年期の臨床データはこれまで得られていないため、性別違和感を主訴にジェンダー外来に通院中の受診者のデータを収集し、性別違和感尺度を臨床活用するために有用なカットオフ値を設定する。GDSを実施する際の留意点についても抽出し、安全なスクリーニングツールとして活用できることを確認するとともに、性別の違和感や悩みに対して早期に心理的支援につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
「性別違和感尺度(以下、GDS)」(浜田ら、2016)のデータ収集を行い、大学生年齢における分布とカットオフ値について分析を行い、成果を発表した。一般群は、目標数の500名に対して、一般大学生457名、一般高校生460名の計917名のデータを得た。臨床群は、目標数50名に対して、大学生年齢12名、高校生年齢20名、中学生年齢13名の計45名のデータを得た。2023年度は、大学生年齢のデータ(一般群457名、臨床群12名)について分析を行い、第64回日本児童青年精神医学会総会にて発表した。また、超短縮版(3問版)の提案と活用に焦点を当て、愛知児童青年精神医学会第15回学術総会にて発表した。GDSの平均得点は、臨床群AMABが39.4(SD=2.5)、AFABが41.7(SD=3.9)、全体が40.8(SD=3.4)で、全員が36点以上となった。一般群では、男子学生が15.7(SD=4.9)、女子学生が17.8(SD=6.0)で、全体が17.0(SD=5.7)であった。α係数は0.93、ROC曲線のAUC値は0.995(95%信頼区間0.990~1.00)といずれも良好で、ROC曲線と尤度比の検討より、最適カットオフ値は36点と考えられた。なお、8項目からなる短縮版についても同様の検討を行ったところ、最適カットオフ値は23点であった。36点以上の一般男子学生は0.55%、女子学生2.53%で、スクリーニング目的の使用であれば、臨床群の全員が「とてもよくあてはまる」と回答した項目1,4,11の3問でも有用であると考えられた。 また、本研究に係る国際交流企画として、フランスより研究者を招いて、交流会および講演会を実施し、日本の性的マイノリティの方々の健康や必要な支援などについて見識を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般群(大学生および高校生)および臨床群ともに、目標数にほぼ達するデータを得ることができた。それらをもとにカットオフ値を算出することができ、大学生年齢における分析と考察を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、高校生年齢のデータの解析を進める。2024年度は、高校生の性別違和感の実態とカットオフ値の検討について、第65回日本児童青年精神医学会総会にて発表予定である。最終的には、思春期青年期の性別違和感について、これまでの発表を踏まえて論文化することを目標とする。また、超短縮版の活用と実施について、可能な限り実践する。
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