研究課題
基盤研究(C)
主観的な感覚質であるクオリアやその総体としての意識感覚は,脳からどのように創発されるのであろうか。情報幾何学に基づく理論の発展により,意識現象は近年ようやく科学の妥当な研究対象として認識されるようになった。本研究では,「意識は膨大な情報を因果的に統合するシステムにおいて創発される」と主張する統合情報理論に基づき,そこから予測される脳のふるまいを実験的,数理的に検証する。具体的には,脳が統合している因果的情報の量により意識現象が規定されていることを課題遂行時,安静時,及び睡眠時のfMRI実験によって示す。本研究は,ハードプロブレムとされてきた脳と心のギャップの一端を埋めることを目的とする。