研究課題/領域番号 |
23K03023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 公益財団法人国際科学振興財団 |
研究代表者 |
堀 美代 公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 特任主席研究員 (90399329)
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研究分担者 |
黒澤 美枝子 公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 特任研究員 (30178131)
山田 一夫 筑波大学, 人間系, 教授 (30282312)
豊島 理公 筑波大学, 人間系, 特任助教 (00977811)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Tickling / 快情動 / 共感性 / 情動伝搬 / 向社会性 / 幼少期ストレス / ストレス脆弱性 / 遺伝子発現 / ストレスレジリエンス / 幼少期 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,幼若期ラットにおけるストレス脆弱性の発症機序と快情動による修復機序(ストレスレジリエンス)の脳内メカニズムを明らかにすることである。発達期の脳はストレスに対して脆弱であるため,正常な脳の発達には,環境から育まれる適切な情動の発達も重要であると考えられる。 申請者らは,幼若期の快情動を喚起する経験が,ストレス耐性の獲得や恐怖記憶の消去に重要な役割を果たし,その脳基盤として扁桃体の微少環境の変容を引き起こす可能性を見出した。本研究では報酬系と扁桃体との因果関係に着目し,ストレス脆弱性に対する快情動の有効性を行動学的,分子生物学的手法を用いて検証する
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,幼若期ラットにおけるストレス脆弱性の発症機序と快情動による修復機序の脳内メカニズムを明らかにすることである。本研究では、仔ラットの遊びモデルであるTickling刺激により喚起される快情動がもたらすストレス耐性効果を、分子生物学的、行動学手法を用いて多角的に解析し、ストレスに対する快情動のリセット効果を検証している。2023年度は下記の実験を行った。 1)快情動伝搬 離乳直後(21日齢雄)のF344/N雄ラットをペア飼育し、一匹のラットのみ毎日Tickling刺激を行い、Tickling未経験のペアのラットに、Tickilngを観察させラットの反応を測定したところ、経験のないナイーブなラットにおいても、Ticklingを受けたラットのポジティブな感情に共感することが明らかになった。 2)F344/N雄ラットを離乳後(21日齢)から集団飼育群、隔離飼育群、Tickling刺激に分け、離乳後に足への電撃ストレスを与え、その後4週間成体になるまで飼育した。成体期に行動解析、ホルモンの測定、脳の免疫組織化学を実施する。①社会相互作用・親和的社会行動に及ぼす影響:2個体/組で観察ボックスに一定時間放置し,2個体間の相互作用を評価する。テスト期:塩化リチウム暴露した他個体に対して、上記同様の向社会性を評価する。②情動弁別テスト:上記同様に嫌悪刺激(塩化リチウム投与)を受けた他個体と刺激を与えてないラットへの弁別能力を検証する。③ネガティブ情動伝搬テスト:Foot-shockを与えたラットを観察し、ネガティブ情動の伝搬と向社会性を評価する。④脳組織における組織学的評価:全身麻酔下で心臓採血(ホルモン測定)により安楽死、または生食還流にて安楽死させ,脳組織を摘出し、c-Fosの発現を免疫組織科学的に評価する。現在、実験・解析を実施中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、研究計画書に記載した実験をほとんど実施でき、一部の研究成果を学会で報告することができたから、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、2023年度に引き続き、上記Ⅰ)~Ⅱ)の行動学的な実験の追加実験、および新たにⅢ)脳組織における分子生物学的解析を行う。これまでの解析で、扁桃体で多くの遺伝子やmicroRNAが変動し、個別飼育群と快刺激群では、特異的なPathwayや、ストレス応答に関わる遺伝子変動が異なった。さらに、ストレス応答に関わるmicroRNAが個別飼育により発現変化が起こり、快刺激によって適正化される可能性を見出した。このことは、その脳基盤として扁桃体の微少環境の変容を引き起こす可能性を示唆している。これらの行動変容と扁桃体とのかかわりを明らかにするために、これまでの研究の網羅的解析より抽出した候補遺伝子やmicroRNAをPCR法により解析する。
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