研究課題/領域番号 |
23K03061
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
中島 秀斗 統計数理研究所, 先端データサイエンス研究系, 特任助教 (80887290)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 局所関数等式 / 概均質ベクトル空間 / 代数多様体 / ホマロイダル多項式 / 相対不変式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は局所関数等式についてより深く理解をすることである.そのための重要なステップとして,以下の2 つの課題を設定する. (1) 新しいタイプの局所関数等式を満たす多項式の組の系列の探索を行う.代数幾何学などの分野で注目されているhomaloidalという性質に着目しつつ,計算機を積極的に活用し,グラフ等の図形を利用して,新たなタイプの局所関数等式を見出す. (2) 局所関数等式に関するガンマ行列の研究を行う.研究代表者自身の研究により,ある概均質ベクトル空間におけるガンマ行列が変数毎の行列の積に分解されることを示しており,この現象が成り立つ理由について追究する.
|
研究実績の概要 |
局所関数等式は、超関数としての多項式のフーリエ変換公式であり、これに付随して大域ゼータ関数を構成できることが期待されるものであり、本研究はこの局所関数等式を満たす多項式について調べることが目的である。概均質ベクトル空間の正則な相対不変式は局所関数等式を満たすことが知られており、これまで知られていない系列の概均質ベクトル空間を見つけ出すことは、本研究の重要なステップの一つである。今年度はまず城西大学の小木曽岳義氏と共同で、概均質ベクトル空間を系統的に見つける試みとして、三角形配置という図形に着目し、その三角形配置に3次斉次多項式を付随させることで、概均質ベクトル空間の相対不変式と対応するものを数多く発見した。さらに、与えられた二つの概均質ベクトル空間に対応する三角形配置に対して、点接着という図形的な操作を施して新たな三角形配置を構成した際に、再び概均質ベクトル空間と対応するための一つの十分条件を与えた。本研究はJ.Algebraから出版されている。また、概均質ベクトル空間の相対不変式ではないけれども、局所関数等式を満たす多項式の系列を発見した。この多項式は4変数・項数3と手計算が可能であり、今後の研究において重要な役割を果たすことが期待される。 本研究課題の一環として、国際研究集会(日本チュニジア数学会議)において「Decomposition of gamma matrices of local zeta functions associated with homogeneous cones」という講演題目で発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績に記述の通り、城西大学小木曽岳義氏との共著論文で新たな概均質ベクトル空間の系列を発見したこと、およびその過程でこれまで知られていなかった、概均質ベクトル空間の相対不変式ではないけれども局所関数等式を満たす多項式を発見したことが理由である。とくに後者は当初の計画では次年度以降の課題としていたものである。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き城西大学小木曽岳義氏と共同で局所関数等式を満たす多項式についての研究を行う。特に研究実績に記述した概均質ベクトル空間の相対不変式ではないけれども局所関数等式を満たす多項式について詳しく解析を行っていく。また、小木曽氏および北海道教育大学の和地輝仁氏と共同で、キルヒホッフ多項式に関する研究も行う。
|