研究課題/領域番号 |
23K03062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
澁川 陽一 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90241299)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 商圏 / ダイナミカル・ヤン・バクスター写像 / ガーサイド理論 / 反射方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,まず,論文[R. Ashikaga, Y. Shibukawa: Dynamical reflection maps. preprint (2022)]で構成されたダイナミカル・リフレクション写像に対応する箙上の反射方程式の解の構造を調べることで,反射方程式の解の構成方法と代数演算を関連付ける.これを利用して,ダイナミカル・リフレクション写像の組織的構成方法を確立する.さらに,本研究で構成したダイナミカル・リフレクション写像を表現とするように,新たなdRE代数を構成する.また,dRE代数を定めるダイナミカル・ヤン・バクスター写像から構成されるホップ亜代数との関係も明らかにする.
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研究実績の概要 |
F. A. Garsideは,学位論文で,アルティン・ブレイド群に対する共役問題(conjugacy problem)を解決した.これは,群の表示を一つ固定したときに,群の元が共役であるための判定方法を与えることを意味する.Garsideの得た結果は,E. Brieskorn-K. SaitoやP. Deligneにより,有限コクセター群に付随した一般ブレイド群に拡張された.これらの研究やさらなる一般化の中で利用された一連の手法を,ここではガーサイド理論と呼ぶことにする.この理論は,現在のところ,圏を用いて定式化されている.よく知られているように,群は,すべての射(morphism)が可逆でただ1つの対象(object)のみをもつ特殊な圏と見なされる.ガーサイド理論は,このような見地からGarsideらの研究手法を圏論的に一般化して捉え直したものである.このようにすることで,数多くの数学的対象に適用可能な理論が構築されている. 本年度の研究では,(量子)ヤン・バクスター方程式の写像解の一般化にあたるダイナミカル・ヤン・バクスター写像から商圏(quotient category)を定義し,さらに,この商圏の性質を,ガーサイド理論を用いて明らかにするための準備研究を行った.具体的な研究成果は,ガーサイド理論に現れるweak RC systemの拡張に関連して,必要な修正を明らかにしたことである. 集合上のヤン・バクスター方程式の写像解から定義される商圏は構造群と呼ばれている.既存の研究により,この構造群は一般ブレイド群と同様のよい性質を持っていると解明されており,本研究は,この研究結果の一般化を試みるものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダイナミカル・ヤン・バクスター写像から定まる商圏の性質に関する研究が進んでいて,当初の計画であるダイナミカル・リフレクション写像に関連した代数の構成に関する研究の進展が少ないため.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,ダイナミカル・リフレクション写像に関連した代数の構成に関する研究の進展を図る.
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