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Conway Motivic Zeta の有理性、代数性とConservativity

研究課題

研究課題/領域番号 23K03071
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分11010:代数学関連
研究機関広島大学

研究代表者

木村 俊一  広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10284150)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードConway Motivic zeta / 組合せゲーム理論 / Subtraction Nim / Motivic zeta / surreal number / Collatz Conjecture
研究開始時の研究の概要

Conway の数概念に基づいたモチビックゼータを、ある種のグラフであらわされるハッケンブッシュの局面をはじめ、さまざまな状況で考察する。特にモチビックゼータが有理的ではないが代数的な状況が作れるはずであり、それをグラフの言葉で表現する。
ハッケンブッシュ以外にChomp など、無限概念をはらみながらConway の方法で数と見做せるゲーム局面があるので、それらのモチビックゼータについても調べる。
また、コラッツ予想に対して、モチビックゼータの一種であるLagarias のQ関数の視点から研究し、一般化をこころみる。

研究実績の概要

本研究ではSubtraction Nim のモチビックゼータの理解を目標とした研究を行い、その周辺においてもいくつかの大きな進展が見られた。
1次元のSubtration Nim に対し outcome Motivic Zeta O_S(t) と Grundy Motivic Zeta G_S(t) が定義され、たとえば S={1, 2} という set of removable numbers に対しては O_S(t)=1/(1-t^3), G_S(t)=(t+2^2)/(1-t^3) となり、いずれも有理関数となる。1次元でSが有限集合ならばいずれのモチビックゼータも 有理関数となるが、その次数評価やSが無限集合となる場合については一般には未解決であり、Sが対称集合となる場合などに次数評価を与えるなどの進展があっ た。
2次元の場合は S が有限集合であってもモチビックゼータが有理関数にはなりそうにないことの強い証拠を与えた。また、Sが無限集合だが規則的な場合 (Triangular Nim、Yama Nim, あるいは Triangular Nim with Wythoff Variationなど)の場合に、アウトカムモチビックゼータを具体的に計算し、有理的になる場合(ab-Traignular Nim)と有理的にならない場合(Wythoff Variation)などを発見した。特にWythoff Variation で良形になる場合を x<y に限ると (0, 1), (1, 3), (3, 6), (6, 10), (10, 15), (15, 21), (21, 28), ..のような連続する三角数があらわれること(さらにルールを微修正すると平方数を含む一般の d角数、あるいは冪乗数、メルセンヌ数などもあらわれること)を発見した。
さらに、Enforce Operator と Carry on Option (Entailing) を組みわせることで、1次元の場合でも Subtraction Game で新しい現象が起こることを発見した。 例えば良形集合が de Bruijn 数列となるような例も構成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1次元 Subtraction Nimの古典的な例については、Subtraction Set が有限集合であればモチビックゼータが有理的になることは容易に証明できるので、2次元の場合が次の問題となる。まず Urban Larrson 教授、Indrajit Saha氏、末續鴻輝氏、安福智明氏、木谷裕紀氏らとの共同研究において、有限個の Subtraction Set を持つ場合に、いくつかの例でモチビックゼータが有理的になりそうにない数多くの例を得た。さらに、研究代表者の指導学生である山下貴央氏との共同研究で、Subtraction Set が無限集合となる例で良形集合がきれいに記述でき、しかしモチビックゼータが有理的にならない例を、さまざまな視点から構成した(それぞれの例が重要な成果である)。1次元の場合、例えば有限集合の補集合を Subtraction Set とするとモチビックゼータが有理的になることを証明したので、そのような場合でも1次元と2次元以上で大きく様子が違い、モチビックゼータの有理性はおそらく適切な道具ではないことがわかってきた。ただし、モチビックゼータそのものの有効性は依然としてあると考えている。
例えば3次元以上で、Subtraction Set が無限個の場合は多くの例の計算に成功し、Outcome Motive Zeta は有理的ではある例をいくつか発見した。

今後の研究の推進方策

元々の問題であるモチビックゼータの有理性からは離れて、良形やグランディー数の記述に向かうのが正しい方向であると考えている。
2次元の Subtraction Nim の良形集合から三角数などの数列があらわれる例が発見されたが、どのような数列が同じように登場しうるか、という興味深い問題がある。例えば今の所フィボナッチ数列があらわれるような Subtraction Set は見つかっていないが、別の3項漸化式を持つ数列に対しては、それが良形集合としてあらわれるような Subtraction Set が見出されている。
一方、Enforce Operator や Entailing game があらわれる Carry On option を持つ Subtraction Nim を考えると、1次元の場合ですら グランディー数が定義されない(月がゲーム値としてあらわれる)など、これまでの枠を越える新しい現象が出てくることがわかってきた。特に、全ての有限オートマトンが Enforce Operator と Carry on option を併用すれば記述できることを発見したので、良形集合が一般にはカオスとなることが予想され、実際にそのような例だと思われる例が次々と見つかっていることから、そういう場合にどう結果を記述するべきであるかを考えたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] Indian Institute of Technology at Mumbai(インド)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Enforce operation of the disjunctive sum and the Continued Conjunctive Sum2024

    • 著者名/発表者名
      Kimura, Shun-ichi, Odawara, Akuri
    • 学会等名
      Game at Mumbai,
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Repeat Options and Enforce operator for Subtraction NIMs, and their generating functions2024

    • 著者名/発表者名
      木村俊一
    • 学会等名
      広島岡山代数学セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Yama Nim, Triangular Nim, and their Wythoff variations2024

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Yamashita, Shun-ichi Kimura
    • 学会等名
      Game at Mumbai
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] On variations of Yama Nim and Triangular Nim2024

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Yamashita, Shun-ichi Kimura
    • 学会等名
      広島岡山代数学セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] On variations of Yama Nim ~What happens if you return stones in Nim games?~2023

    • 著者名/発表者名
      木村俊一 山下貴央
    • 学会等名
      第7回日本組合せゲーム理論研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Comply/Constrain games のグランディー数について2023

    • 著者名/発表者名
      木村俊一 山下貴央
    • 学会等名
      第7回日本組合せゲーム理論研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 逆形の不偏ゲームと正規形でのグランディー数について2023

    • 著者名/発表者名
      木村俊一
    • 学会等名
      第7回日本組合せゲーム理論研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] On variations of Yama Nim: ~What happens if you return tokens in Nim games~2023

    • 著者名/発表者名
      Kimura, Shun-ichi, Yamashita, Takahiro
    • 学会等名
      インドネシアヌサドゥア IJCDCG^3研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Are Real Numbers really real?2023

    • 著者名/発表者名
      Shun-ichi Kimura
    • 学会等名
      The First QJM workshop
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Comply/constrain operator of conbinatorial games について2023

    • 著者名/発表者名
      山下貴央*,安福智明,木村俊一,木谷裕紀,Larsson Urban,Saha Indrajit,末續 鴻輝
    • 学会等名
      第7回日本組合せゲーム理論研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Comply/Constrain operator of combinatorial games2023

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Yamashita, Shun-ichi Kimura
    • 学会等名
      インドネシアヌサドゥア IJCDCG^3研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Yama Nim と Wythoffバリエーションについて2023

    • 著者名/発表者名
      山下貴央 木村俊一
    • 学会等名
      GWP-23研究集会 箱根セミナーハウス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 広島岡山代数学セミナー2024

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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