研究課題
基盤研究(C)
正の整数の2乗の逆数をすべて加えた和(1/1 + 1/4 + 1/9 + 1/16 + …… = 1.644934……)は円周率の2乗を6で割った値と一致することが知られています。この値を一般化したものが(多重)ゼータ値です。類似の和として,有限個の分数の和を考察したものが有限(多重)ゼータ値で,多重ゼータ値のある種の積の和を考えたものが対称多重ゼータ値です。有限多重ゼータ値と対称多重ゼータ値は定義は全く異なりますが,同じ構造を持っていると予想されています。本研究では,q類似というものに着目して,有限多重ゼータ値と対称多重ゼータ値の関係について考察します。