研究課題/領域番号 |
23K03072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
斎藤 新悟 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40515194)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 多重ゼータ値 |
研究開始時の研究の概要 |
正の整数の2乗の逆数をすべて加えた和(1/1 + 1/4 + 1/9 + 1/16 + …… = 1.644934……)は円周率の2乗を6で割った値と一致することが知られています。この値を一般化したものが(多重)ゼータ値です。 類似の和として,有限個の分数の和を考察したものが有限(多重)ゼータ値で,多重ゼータ値のある種の積の和を考えたものが対称多重ゼータ値です。有限多重ゼータ値と対称多重ゼータ値は定義は全く異なりますが,同じ構造を持っていると予想されています。 本研究では,q類似というものに着目して,有限多重ゼータ値と対称多重ゼータ値の関係について考察します。
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研究実績の概要 |
多重ゼータ値の間には多くの関係式が存在することが知られており,その間の関係式の研究は多重ゼータ値研究の中心的課題である。和公式と双対関係式はその中でもシンプルで重要なものであり,両者をともに包含するものとして大野関係式と呼ばれる関係式族が知られている。各インデックス(正の整数の有限列)に対して,インデックスの成分に合計が一定となるように正の整数を加えて得られる多重ゼータ値の和を大野和と呼ぶと,大野関係式は,任意のインデックスとその双対インデックスに対して大野和が等しくなるという形で述べることができる。広瀬稔氏,村原英樹氏,小野塚友一氏,佐藤信夫氏は,大野和の間に大野関係式以外の線形関係式が存在することを見出し,二重大野関係式など,そのうちいくつかの族に対して証明を与えた(M. Hirose, H. Murahara, T. Onozuka, and N. Sato, Linear relations of Ohno sums of multiple zeta values, Indag. Math. (N.S.) 31 (2020), no. 4, 556-567)。この研究を踏まえて,今年度は,広瀬稔氏,村原英樹氏と共同で,大野和を拡張した対象物の満たす関係式について考察した。大野和を拡張することで,より豊饒な代数的構造を持つことが分かってきており,興味深い対象物となることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大野和の関係式について一定の理解が進んだ。このことを考慮して,(2)の区分に該当すると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き,多重ゼータ値およびその類似物に関して研究を進める。
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