研究課題/領域番号 |
23K03074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
上原 北斗 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80378546)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 有理2重点 / 極大Cohen--Macaulay加群 / 特異圏 / Auslander--Reiten理論 / 連接層の導来圏 / 高次元代数多様体の分類理論 |
研究開始時の研究の概要 |
連接層の導来圏は代数多様体の重要な不変量であり、また代数多様体の分類理論、ホモロジカルミラーシンメトリーによって超弦理論や多元環の表現論とかかわりを持つことが知られており、昨今ますます重要性が増していると感じられる。私は主に代数多様体の分類理論の観点から、主に複素体上で定義された代数曲面および3次元代数多様体の連接層の導来圏に関して調べてきた。 今後は枠組みを広げ、正標数の体上で定義された代数多様体の連接層の導来圏の性質についても調べていきたいと考えている。
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研究実績の概要 |
2次元超曲面特異点である有理2重点は、ある意味2次元で最も簡単な特異点であるので特異点論の立場で古くから調べられてきた。加えて、様々な対称性をもち、McKay対応、多元環の表現論など表現論の文脈からも調べられてきた対象である。私も15年ほど前に、連接層の導来圏の立場から、特にA型の有理2重点の極小特異点解消上の連接層の導来圏の自己同値群を調べたことがある。 有理2重点はADE型のディンキン図形との対応があることが良く知られており、特に標数が0の体上では、有理2重点の解析的クラスとADE型のディンキン図形の間に1対1対応がある。一方正標数の体上の場合は、異なる解析的クラスの有理2重点が同じディンキン図形に対応しうることが古くから知られている。 一方、一般の特異点に対し特異圏という三角圏が定義され、次元を固定した超曲面の(DG)特異圏は、標数が0の場合はその解析的クラスを復元することがHua-Keller、Kalckにより示されている。 そこで私は、私の学生の高島佑太氏との共同研究で、正標数の場合の有理2重点の特異圏を調べそれがディンキン図形で決まることを見た。つまり、異なる解析的クラスでも同じ特異圏を持ちうる例を発見し、それを応用して、上記のHua-Keller、Kalckの定理の正標数における反例を構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上で述べて結果は、連接層の導来圏の研究と深く関係はするものの、行列因子化や極大Cohen--Macaulay加群、Auslander--Reiten理論といった今まで自分になじみの少なかった多元環の表現論の技術を駆使した結果である。こうした不慣れな状況で興味深い結果を出しつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
上で述べてきた有理2重点(2次元単純特異点)の結果はKnorrerの周期性を使って偶数次元の単純特異点の場合に拡張できる。1次元の結果が出せれば同様にKnorrerの周期性によって、奇数次元の単純特異点の結果に拡張できる。そこで残っているのは1次元単純特異点の場合である。1次元単純特異点も、正標数では同じディンキン図形が異なる解析的クラスに対応する場合があり、こちらでも上記と同様の結果を出したい。
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