研究課題/領域番号 |
23K03077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
下元 数馬 東京工業大学, 理学院, 教授 (70588780)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | パーフェクトイド代数 / 対数的正則局所環 / エタールコホモロジー / イデアル類群 / パーフェクトイド化関手 / 可換環論 / 特異点 / 局所エタールコホモロジー |
研究開始時の研究の概要 |
可換環論、代数幾何学における標数0ないしは混合標数における問題を扱う。主に特異点、Hilbert重複度、局所コホモロジー論が主要なテーマである。ホモロジカル予想は混合標数において多くが解決された。そこで使われたパーフェクトイド幾何学の手法によって正標数に帰着が可能であるが、パーフェクトイド理論のネーター環に対する精密化を行う。具体的には局所エタールコホモロジー論はネーター環論において頻繁に使われるが、これをエタール・コホモロジーとして捉えることによって正標数と混合標数の問題の結びつけることが研究内容の概要である。
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研究実績の概要 |
当該研究では可換環の数論的特性を明らかにするためにエタールコホモロジー論を主な道具として用いる。可換ネーター的局所環のWeil因子類群やBrauer群の構造は標数に依存し、Hensel化や完備化で変化し得る事はこれまでに蓄積された研究成果によって明らかにされてきた。トーリック環は代数幾何学の文脈でよく調べられているが、トーリック環の自然な拡張として対数的正則局所環の特異点構造を集中的に調べた。混合標数を持つ対数的正則局所環の構造は複雑であるが、パーフェクトイド空間論におけるtilting対応を用いて、対数的正則局環の因子類群の有限性をある条件の下で示した。これらは仲里渓氏と伊城慎之介氏との共同研究によるものであるが、伊城氏は更に独自の方法を用いて、因子類群に関して決定的な結果を得た。本研究においてパーフェクトイドタワーという概念を導入した。これは非ネーター的性格を備えたパーフェクトイド環をネーター環の増大列で近似するというものである。応用として先に述べたエタールコホモロジーの計算があり本質的な概念である。次の目標としてパーフェクトイドタワーの具体例を構成する問題があるがこれは現在、継続中である。また石塚伶氏との共同研究では正標数におけるFrobenius写像から得られる完全化関手の混合標数における類似を考察した。応用として概Cohen-Macaulay代数を具体的に構成した。また石塚氏はこの構成方法とBhatt-Scholzeによるパーフェクトイド化関手との関係をさらに深く調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究を推進するにために他分野の専門的知識が必要とされることがあり、その分野に関連する文献を解読するのに時間が掛かっているが概ね、順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針として、パーフェクトイドタワーの射影多様体の代数幾何学や分岐理論を用いた具体的構成について調べる。そのためにはSerre-Tate理論から生ずるAbelスキームの変形問題を詳しく調べる必要があり、代数空間の枠組みまで広げて一般化を試みる。
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