研究課題
基盤研究(C)
Drinfeld保型形式とは,楕円保型形式の正標数一変数関数体における類似である.この10年間に,複数の研究者による数値計算の蓄積があり,Drinfeld保型形式の傾斜と呼ばれる不変量に関して,由来が謎に包まれた様々な現象が観察されてきた.ところが,楕円保型形式で成功した多くの研究手法がDrinfeld保型形式では破綻し,これらの現象を理論的に解明することができていない.本研究では,数論幾何・関数解析からのP進的手法の導入を推し進め,これらの現象の中で謎の多い,有限傾斜の上限,傾斜∞部分の次元,傾斜0部分の構造,の三点を明らかにする.