研究課題/領域番号 |
23K03080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 裕基 宇部工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (50707130)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Almost数学 / Smithイデアル理論 / 非単位的可換代数 / A1ホモトピー理論 / モデル圏 |
研究開始時の研究の概要 |
代数幾何学及び数論幾何において環が体を含む場合を等標数(例えば体上の代数),そうでない場合を混標数(例えば整数環)といい, 一般的には混標数に関する問題の方が解決が困難となっている. 本研究では乗法の単位元を持たない環全体の圏は乗法的単位元を持つ環の圏よりも制限が少ないため混標数の数論幾何学における問題に対して結果を得る有効な手法となっていくと考えて, almost数学の数論幾何学の確立を行う. 具体的には乗法的単位元を持たない環の視点からalmost数学の線型代数と可換環論を定式化することでalmost数学を現状の代数幾何学及び数論幾何学の枠組みまで発展させる研究を行う.
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研究実績の概要 |
Hovey, White及びYauの導入したオペラディックSmithイデアルの理論を用いて対称モノイダル安定モデル圏で「べき等Smithイデアル」を定義することでalmost数学の定式化を行いQuillenのノートの結果である「安定対称モノイダル・モデル圏のBousfield両局所化(局所化かつ余局所化)とべき等Smithイデアルの1対1対応」の対称モノイダル・モデル圏類似の証明した. また,オペラディックSmithイデアル理論を用いて安定対称モノイダル・モデル圏でオペラディック非単位的代数とオーグメント・オペラディック代数のなす弱モデル圏の間にQuillen同値が導出できることを示した. 得られた研究結果は九州大学で行われた九州代数的整数論2024にて講演を行った. 現地の研究者との議論の結果,almost数学が混標数の数論幾何学にどのように寄与するかどうか, あるいはalmost数学から元の状態を復元させることができるかどうかに関心が寄せられていることがわかった.
対称モノイダルモデル圏のSmithイデアルの理論を用いてGoodwillie微積分をより明示的に定式化を着想してSmithイデアル理論を用いた環の完備化とそのalmost数学類似の結果, almost有限生成イデアルによるalmost完備化の完備性を示した. 得られた結果はべき零完備化としてarxivに公開している. またモデル圏のべき零Smithイデアル理論の応用により完備化の理論をA^1-ホモトピー理論に拡張して代数的コボルディズムを代数的K-理論でテイラー近似する理論を構成し, Bott周期性と剛性などを持つことを示した. 構築したべき零近似理論とGoodwillie微積分の理論の比較可能性について関心が寄せられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は計画年度よりも予定していた部分以上が進行している. また,Smithイデアル理論によるべき零完備化は計画にはない研究結果である.しかしながら研究発表が1回しか行えておらず,Almost数学とSmithイデアル理論の周知活動が十分にできていない.
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今後の研究の推進方策 |
研究結果をウェブ上に公開するだけでは周知が不十分であると感じたので今年度は海外も含めて発表の回数を3回以上行うようにする. 研究集会等で「almost数学の混標数の代数幾何学に対する寄与」を期待する声があったことを受けてalomost数学では潰れされてしまうalmost零部分を精密に研究する予定である. また,almost部分とalmost零部分からもとの理論を復元させる理論を構築する. また,今年度はalsmost線型代数の論文の公開を優先的に進める予定である.
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