研究課題/領域番号 |
23K03083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
今井 淳 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (70221132)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マグニチュード / リースエネルギー関数 / 留数 / 多様体 / ポテンシャル / エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
Xをリーマン多様体、xをその点、Bε(x)をx中心半径εのボールとする。実数sに対し、xからの距離のs乗をBε(x)の補集合上積分し、それをεで級数展開するとs≦-dim Xのとき負冪、sの値によってはlog項が現れる。定数項をXのxにおけるs-ポテンシャル、log項が現れるときその係数をsでの局所留数、それらをXで積分したものをそれぞれXのs-エネルギー、留数とよぶ。sの値を動かして得られる、留数、ポテンシャル、エネルギーの性質とそれらから分かるXの幾何学的情報を明らかにすることが研究テーマである。
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研究実績の概要 |
2023年12月に大阪で開催された国際研究集会Magnitude2023で多様体の留数、Brylinskiベータ関数(Rieszエネルギー関数)とマグニチュードについて講演を行った。この際、三角形がマグニチュードで特定されるか、という問題を提案した。この問題を一般化して肯定的に解決した。すなわち、genericな有限距離空間は、正確に述べると、点の間の距離の多重集合(同じ元が繰り返し現れることを許した集合)が有理数体上線形独立となるような有限距離空間はマグニチュード関数で特定できること、さらに三点集合は全て、四点集合は最長の辺長が最短の辺長の2倍未満ならばやはりマグニチュード関数で特定できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究内容としては、当初の予定とはすこし違うトピックではあるが、論文の形にできたので、順調に進んでいると考えている。 一方、予算執行という点では、23年度の使用は零になった。これは、本来ならば2022年度で終了するはずだった前の予算、基盤研究C、「多様体のエネルギーと留数」、課題番号 19K03462 がずれ込んだためである。前の予算については、コロナの影響で2020年度から旅費がほとんどなくなったため、予定を大幅に下回ってしまっていたが、2023年度に物品類を購入し、2024年度に使い切れるめどが立った。以上のことから、総合的に考えると順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
一番新しいプレプリントを書いているとき、ユークリッド空間のつぶれていない四面体の頂点となる四点集合はマグニチュード関数で特定できる、という予想を得たのでそれを研究したい。さらに、有限距離空間の新しい量(関数)を一つ考案したので、マグニチュード関数、マグニチュードホモロジー、Rieszエネルギー関数、新しい関数の三つが有限距離空間をどの程度特定するか、という問題を考えたい。最初は平面の正多角形が特定できるか、という問題を考えるつもりである。
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