研究課題/領域番号 |
23K03086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川上 裕 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (60532356)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ガウス写像 / 極小曲面 / 完全分岐値数 / Bloch-Ros原理 / 双曲性 / ベルンシュタインの定理 / ガウス曲率 / 幾何解析学 / 平均曲率一定曲面 / ベルンシュタイン型定理 / ワイエルシュトラス型表現公式 |
研究開始時の研究の概要 |
空間型内の曲面・部分多様体の大域的性質とガウス写像の性質との間の関係を明らかにすることにより,曲面・部分多様体の微分幾何学的性質を研究する方法を確立することが本研究の目的である.具体的には,代数的極小曲面のガウス写像の値分布論の構築とガウス写像の値分布論的性質の幾何学的解釈に基づく体系的な理論の形成を目指す「ガウス写像の値分布論的性質の研究」と,空間型内の様々な曲面のクラスにおいて「ガウス写像」にあたるものを発見して,ベルンシュタイン型定理や剱持・ワイエルシュトラス型表現公式といった大域的性質が成り立つかどうかを調べる「ワイエルシュトラス型表現公式の研究」という2つの研究課題に取り組む.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,曲面の微分幾何学的性質とガウス写像との間の関係を明らかにすることである.今年度の成果は以下の通りである.まず,渡邉元嗣氏との共同研究で,種数0の有限全曲率完備極小曲面において,ガウス写像の完全分岐値数という視点で新しい例と結果を得ることができ,これまでの結果を含め論文にまとめることできた.特に,渡邉氏によるガウス写像の完全分岐値数が2.5の新しい有限全曲率完備極小曲面の例の発見と種数0の場合の完全分岐値数の評価を与えることができたことは今後の研究を進めていく上で非常に重要であると考える.また,笠尾俊輔氏との共同研究で,有理型関数の正規族の理論と値分布論との間の関係を示すBloch原理を極小曲面のガウス写像の理論に結び付け統一的解釈を与えるBloch-Ros原理を発見し,3次元非固有アファイン波面や3次元双曲型空間内の平坦波面といった特異点を許容する曲面のグラスにおけるガウス写像の理論にも応用できるようにした.この結果により,ガウス写像の性質で曲率評価が起きないときに何が起きているのかを明らかにすることができた.また,双曲性を背景にもつ現象の性質の背景を明示的にすることができた.さらに,國分雅敏氏,藤森祥一氏との共同研究で,3次元ユークリッド空間内の同心円状や平行直線状にガウス曲率の値が等しくなる曲面の例やそれらの曲面のガウス写像による特徴付けを与えることができた.そして,entire graphical surfaceのBernsteinの定理でこれまで研究した成果のサーベイを発表したり,雑誌「数理科学」で入門記事を執筆したりするなど,より多くの方に研究成果を知ってもらえるよう情報発信を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
渡邉元嗣氏のとの共同研究によって.有限全曲率完備極小曲面のガウス写像の値分布において一定の進展を得ることが出来た.また,当初の計画ではしばらく時間がかかると考えられていたBloch-Ros原理が笠尾俊輔氏との共同研究において実現できたことは大きな進展であると考えられる.さらに,國分雅敏氏と藤森祥一氏との共同研究も予想外の成果であり,今年度は当初の計画以上に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
まず,笠尾氏との共同研究で得ることができたBloch-Ros原理の更なる拡張を考えたい.特に,高次元複素射影空間への正則写像の場合の理論の構築を検討したい.また,渡邉氏との共同研究で得ることができた結果の種数1の場合を調べていきたい.特に,ガウス写像の完全分岐値数の視点による非自明な新しい例の構成を考えたい.さらに,来年度からは本田淳史氏に研究分担者をお願いしたので,これまでの研究成果をもとにローレンツ空間内の曲面や特異点を許容する曲面の研究を進めていきたい.
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