座標と運動量がともに二重周期性を持つ可積分系である二重楕円型可積分系について,超対称ゲージ理論との対応関係を通して,その性質を明らかにする.互いに可換なハミルトニアンの同時固有関数は,対応する超対称ゲージ理論側で枠付き放物層の数え上げに関する分配関数で与えられると予想されている.楕円量子群の表現論を用いて,分配関数を絡み作用素の同変指標として書き換えることにより,分配関数の満たす差分方程式を求める.また二重楕円型可積分系は座標と運動量の入れ替えに関して自己双対性をもつことが期待されている.分配関数のもつ対称性を明らかにすることによって自己双対性が実現されていることを示す.
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