研究課題/領域番号 |
23K03090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安井 弘一 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (70547009)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | トポロジー / 4次元多様体 / 微分構造 / 種数関数 / 結び目 / コルク |
研究開始時の研究の概要 |
多様体上の微分構造の分類は位相幾何学における最も基本的な問題の1つである. 4次元以外の全ての次元で一定の分類が完成しているが, 4次元固有の様々な特異性のため, 4次元では微分構造が分類されているような多様体は一つもない. 本研究の主な目的は, 4次元多様体の微分構造のふるまいや, 3, 4次元多様体と結び目との関係を明らかにすることである. 具体的には, 4次元多様体のエキゾチック微分構造と種数関数, 4次元多様体の微分構造と安定化, 結び目トレースの微分構造, デーン手術と結び目の関係, の4つのテーマを中心に研究を進める.
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研究実績の概要 |
本研究の主な目的は4次元多様体の微分構造のふるまいやその結び目との関係を明らかにすることである. 2023年度の主な研究成果は, 種数関数という4次元多様体の微分同相不変量に関する限界を明らかにしたことと, その応用を与えたことである. 具体的には, 互いにエキゾチックな(つまり同相だが微分同相でない)4次元多様体であって, 同値な種数関数を持つものの組織的構成法を与えた. またこの構成法の応用として, 位相不変量に関して非常に広いクラスの境界付き4次元多様体が無限個のエキゾチック微分構造を持つことを明らかにした. さらに, 種数関数を保つ十分条件を与えることによって, 4次元多様体のエキゾチック性を保つ新しい操作を与えた. これらの成果は国際会議等の研究集会で発表した. また論文として執筆中である. 研究協力者である指導学生(大阪大学大学院生)とは4次元多様体の微分構造に関する様々なテーマについて議論を行った. 若槇洋平氏は小さい単連結閉4次元多様体の安定化に関する成果を得た. 高橋夏野氏は4次元多様体のあるエキゾチック対に対してトライセクション種数を決定した. 若槇氏と高橋氏はこれらの成果を論文として arXiv で公開し, 国際会議等の研究集会で発表した. 米原翔唯氏は2つのK3曲面から構成されるある4次元多様体の安定化に関する成果を得た. 瀧康二氏は楕円曲面の幾何学的単連結性に関する成果を得た. 米原氏と瀧氏はこれらの成果を2023年度修士論文として発表した. また、鎌田聖一教授(大阪大学), 大場貴裕准教授(大阪大学)と共に研究集会「4次元トポロジー」を2023年11月10日~11月12日に大阪大学で開催した. 55名の参加者があり, 活発な議論がなされた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
種数関数に関する研究は当初の計画以上の成果が得られたが, 研究推進を優先したため, この研究と安定化に関する研究を論文として完成できていない.
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書の計画通り研究を進める予定であるが, 種数関数の研究に関する論文執筆を優先的に進める予定である.
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