研究課題/領域番号 |
23K03093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩瀬 則夫 九州大学, 数理学研究院, 教授 (60213287)
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研究分担者 |
蔦谷 充伸 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (80711994)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Lusternik-Schnirelmann / Topological Complexity / Diffeology / A_infinity structure / L-S category / topological complexity / A-infinity structure / diffeology / free loop space |
研究開始時の研究の概要 |
自由ループ空間 L(X) を fibrewise A∞ 空 間として捉える fibreise L-S 理論の立場から spherical space form の TC の決定を目指す. また,将来的には微分空間(diffeological space)のアイデアを適用することで, TCの研究に微分位相幾何学的な観点と手法をもたらしたい. さらに現在のpythonを用いたプログラムのC言語を用いた全面的な刷新に取り組みたいと考えている.
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研究実績の概要 |
位相的複雑さというホモトピー不変量は古典的なホモトピー不変量である Lusternik-Schnirelmann カテゴリ数(cat と呼ばれる)と形式的には非常によく似た不変量であり、酒井道宏氏と岩瀬の共同研究により特別な(fibrewise な)環境ではある意味で同一であることが示されている。その一方で cat の決定には、岩瀬により、A∞手法が有用である事が示されている。本研究はこのA∞手法を tc に適用するというアイデアがそのベースとなっており、三つの成果を発表した。 一つ目は、A∞手法の側面から Fadell-Husseini の研究を主題として古典的な問題意識が重要であることを強調しつつ、Lusternik-Schnirelmann 理論や位相的複雑さの解説を行う論文を発表した。より多くの人にその本質を理解して頂くのは大切な事であると考えており、さらに新しいだけの問題は結局残っていかないと信じている。その中でも球面空間形式に対する位相的複雑さの決定は本来的に重要である。 二つ目は、位相的複雑さにA∞構造による研究手法が有効であることを示した宮田祐也さんとの共同研究の成果である。その結果は3次元の球面空間形式に限定していたのであるが、2023年度はその手法の中心にある python プログラムを brush-up し、さらに一般次元の解決に向けて始動する年となった。 三つ目は、この位相的複雑さに微分構造を持ち込む目的で、滑らかな loop 空間の積を論じた論文を提出した。これにより Toda の standard path space を測地線の観点から解釈したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発表した三つの論文は結果としては順当であるが、球面空間形式に対する位相的複雑さの決定については、python プログラムの改良によってもいまだに一般次元の結論が得られていないのはマイナスであると考える。
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今後の研究の推進方策 |
既に球面空間形式に対する位相的複雑さの決定に対して pyrhon プログラムによりA∞構造のコホモロジーを計算する手法の有効性は検証済みであり、さらにこれを brush-up して一般次元での決定に到達したいと考えている。その為には、どうしても現状より一桁能力の高い計算機が必要であると考えている。 さらに、滑らかな loop 空間により滑らかなA∞構造を構成することで Toda の standard path space と微分幾何との関連を明らかにし、その上で「滑らかな位相的複雑さ」別の言い方をすれば「滑らかな複雑さ」を考察したいと考えている。これにより、真に具体的な物体の motion planning 問題に対する複雑さに近づく事になると考えている。
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