研究課題/領域番号 |
23K03115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹平 裕史 九州大学, 数理学研究院, 教授 (30466825)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Seiberg-Witten Floer理論 / 低次元トポロジー / ホモトピー論 |
研究開始時の研究の概要 |
Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型という3次元多様体の不変量の計算手法を開発し、低次元トポロジーや結び目理論への応用を行う予定である。応用として、境界付き4次元多様体のトポロジーへの応用や、Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型と結目理論の不変量であるKhovanovホモトピーとの関連を研究していく予定である。
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研究実績の概要 |
Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型という3次元多様体の不変量の研究を行った。Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型とは、モノポールFloerホモロジーと呼ばれる重要な不変量の精密化である。モノポールFloerホモロジーは多くの計算例があり、さまざまな重要な応用が知られている。一方、Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型は、いくつかの重要な応用が知られているものの、計算が難しく、応用の範囲は限定的であった。 DaiとStoffregenとの共同研究により、almost rationalという条件をみたすplumbing 3次元多様体に対して、Seiberg-Witten Floer安定元ピー型を計算することに成功した。この3次元多様体のクラスは、第一Betti数が0のザイフェルトファイバー空間を含み、多くの例がある。これまでSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の計算は、ザイフェルトファイバー空間の特殊な場合のみであったが、本研究により、具体的計算例が広がった。また、この計算の結果、境界付き4次元多様体の交差形式への応用を得ることができた。また、今野氏とは、3次元多様体の族に対するSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の応用に関する共同研究を行った。その結果、境界付き4次元多様体の微分同相群に関する幾つの応用を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目標の一つはSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の計算を行うことであったが、これまでの研究により、広いクラスの3次元多様体に対して、計算を実行することに成功した。さらにその計算により、4次元トポロジーにおいて重要な交差形式に対して、非自明な応用を得ることができた。また、3次元多様体の族のSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型は、境界付き4次元多様体の微分同相群に関して、応用を持つことを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究によってSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の新しい計算例を得ることができた。しかし、その3次元多様体は第一Betti数が0である。第一Betti数が正の場合に、計算を拡張することを今後研究していくことにする。その計算を用いて、低次元トポロジーのさらなる応用を行う予定である。これを行うには、第一Betti数が正の3次元多様体に沿って4次元多様体が分割されるときのBauer-Furuta不変量の張り合わせ公式が必要になると考えられる。この張り合わせ公式を証明することを当面の目標とする。
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