研究課題/領域番号 |
23K03136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
本田 竜広 専修大学, 商学部, 教授 (20241226)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Bohr半径 / 多重調和写像 / 同次多項式展開 / holomorphic mapping / bounded symmetric domain |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、有界対称領域上の正則写像に関する研究を進めるために、ジョルダン3重積の構造を備える有限次元・無限次元複素バナッハ空間の単位開球上の正則写像に注目し、それらに関する種々の性質・評価を解明していきます。また、これらの関数が作る空間における様々な作用素の有界性や等長性などを考察します。
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研究実績の概要 |
令和5年度の研究実績の概要は以下の通りである。 複素1次元平面内の単位開円板上の正則関数や調和関数に対する諸性質について、有限次元および無限次元の高次元複素バナッハ空間の単位開球 B 上の正則写像や調和写像に対して拡張し、諸性質を一般化することを研究した。 複素1次元の単位開円板 U 上の正則関数 f:U→U の同次多項式展開を f(z)=Σa_n z^n とするとき、Σ|a_n z^n|<1 を満たす z の範囲は |z|<1/3 であることはよく知られており、このような評価式が成立することは、 Bohr phenomenon と呼ばれる。この Bohr phenomenon を、高次元複素バナッハ空間の単位開球上の正則写像や多重調和写像で考察すれば、どのような結果が得られるだろうかという問いに関する解明を念頭に置いた。複素1次元の場合、調和関数は、実部と虚部への標準分解が可能で、そのヤコビアンが正値ということで sense-preserving を特徴付けできる。この特性を高次元の複素バナッハ空間の単位開球上の調和写像に対して拡張し、Bohr phenomenon を考察対象とした。 その結果として、H を m 次元複素ユークリッド空間、または数列空間とするとき、 単位開円板上の調和関数に対する Bohr 半径を、H の単位球から H への多重調和写像に拡張できる新しい形を考え、単位開円板上の調和関数に対する Bohr 半径に関する結果を改良でき、その結果は全て最良であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単位開円板上の正則関数や調和関数に対する Bohr 半径について、有限次元、無限次元の有界対称領域上への拡張に関する研究を進めている。単位球上の正則写像や多重調和写像に対して、数列空間の単位球に値がある場合に、単位開円板に値がある場合と全く異なる半径になることに関して、その仮定に関して考察した研究成果が得られつつある。 得られた成果については、投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)高次元の JB*-triple の単位開球において、Bloch 型写像の種々の評価や、これらの写像全体が作る空間に関する諸性質を調べる。 (2)複素バナッハ空間上の正則写像や多重調和写像に対する諸性質について調べる。
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