研究課題/領域番号 |
23K03153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
伊藤 雅彦 琉球大学, 理学部, 教授 (30348461)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 楕円超幾何関数 / ワイル群 / ルート系 / 例外型ルート系 / 楕円ガンマ関数 / セルバーグ積分 / q-超幾何関数 / q-ガンマ関数 / 多変数超幾何関数 / q差分方程式 / マクドナルド多項式 / 補間関数 |
研究開始時の研究の概要 |
超幾何関数の拡張として、古くからq-類似、最近ではp,q-類似がある。元の超幾何関数を有理関数型と呼ぶとき、q-類似、p,q-類似の超幾何関数をそれぞれ三角関数型、楕円関数型と呼ぶ。本研究では、ワイル群不変な有理・三角・楕円多変数超幾何関数が満たすホロノミック差分方程式系の構造を研究し、マクドナルド多項式、数理物理学への応用を目指す。 ワイル群のルート系が古典型である場合と例外型である場合とでは、現在知られている結果が大きく異なる。古典型に関しては、楕円超幾何関数の新しい和公式・変換公式の発見を目指す。例外型に関しては、楕円超幾何関数が満たす差分方程式を明らかにし、その解の接続公式を探求する。
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研究実績の概要 |
今年度はコンピュータを使用することにより、例外型ルート系F4に付随するマクドナルド作用素の固有関数であるF4型マクドナルド多項式を具体的に生成した。また高次の可換なマクドナルド作用素の族の構成を試み、その際得られた結果を「M. Ito, Commuting difference operators and Pieri Formulas for F4 type Macdonald polynomials」の表題で国際学会 The 16th MSJ-SI workshop : Elliptic Integrable Systems, Representation Theory and Hypergeometric Functions, Komaba Campus, the University of Tokyo (2023年7月31日)にて発表した。また同じ内容を表題「F4型マクドナルド多項式に対する可換なq差分作用素族とピエリ公式」で第28回北海道特殊関数セミナー(北海道大学, 2023年9月1日)においても発表した。 また、q-KZ方程式との関連で、対称セルバーグ型のジャクソン積分が満たす一階連立q差分方程式の具体的表示を議論した論文「M. Ito, Gauss decomposition and q-difference equations for Jackson integrals of symmetric Selberg type, Ryukyu Mathematical Journal Vol. 36 (2023), 1-47. (November 2023)」を発表した。 また、この二つのテーマについて、メルボルン大(オーストラリア)のP.J.フォレスター氏とランダム行列理論との関連を議論し共同研究の可能性を探求した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
例外型ルート系のワイル群の対称性をもつ超幾何積分および超幾何級数の性質を明らかにするのが本研究のテーマの一つであるが、今年度、例外型F4に付随するマクドナルド作用素の具体的表示がわかってきた。このことは同時にマクドナルド作用素の双対概念であるマクドナルド多項式のピエリ公式を明らかにすることであり、F4型のピエリ公式がわかってきた。これは最終目標の一つとしているF4型の「補間関数」の発見の手がかりになる。
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今後の研究の推進方策 |
メモリーが多く搭載できるパソコンを導入したため、F4および他の例外型ルート系に付随する楕円超幾何積分およびq-超幾何積分についての計算を試みたい。
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