研究課題/領域番号 |
23K03163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 健一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (90512509)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 数理物理学 / 偏微分方程式論 / シュレーディンガー方程式 / 散乱理論 / スペクトル理論 / シュレーディンガー作用素 / 交換子 / レゾナンス |
研究開始時の研究の概要 |
Schrodinger作用素のスペクトル・散乱理論を研究する.Schrodinger方程式は量子力学における基礎方程式であり,物理や化学,工学で原子や電子などの微小粒子を扱う際に決定的な役割を果たす.スペクトル・散乱理論は最も伝統ある基本的理論であるが,多くの未解決問題を残している.本研究では新しい手法を通じて,既存理論に大きな統一的視点を与えつつ,さらにそれを包含する新理論を構築することを目標とする.
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研究実績の概要 |
当該年度には主に,無限遠方でゆっくりと減衰する引力ポテンシャルを持つSchrodinger作用素を研究した.対応する古典力学系の性質から,0以上のすべてのエネルギーにおいて量子力学的粒子は散乱することが期待され,それを実証する形で,Rellichの定理,極限吸収原理,放射条件評価,Sommerfeldの一意性定理を得た.一般にエネルギー0周りでのSchrodinger作用素の解析は難しく,これまでの先行研究では超局所解析学の手法を改良をして適用するのが定石であった.本研究では,超局所解析学的手法の代わりに,研究代表者自身の考案した交換子法を適用する点が新しい.この交換子法は長い計算を必要とするが,その代わり初等的式変形のみで閉じており,これにより特に,ポテンシャルに対する滑らかさの仮定を自然な形にまで緩めることができた.また,得られた評価はエネルギー0周りで一様である.このような一様評価を得るには,対応する古典力学系の特徴を反映した適切なエスケープ関数を,エネルギーに依存する形で構成し,それに応じて,エネルギーに依存する関数空間を導入することが重要な鍵となる.この関数空間はエネルギー0において重みの次数が不連続に変化する特徴を持つ.以上の結果は,それら自身が興味の対象であるだけでなく,定常散乱理論を論じるための重要なステップにもなっている.散乱行列のエネルギー0における挙動には重要な情報が含まれているため,今後の応用が期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
いくつかの本質的な研究成果が得られてたと考えているが,論文として公表するには,やや不十分であり,もう少し議論を詰め,適切な応用を提示する必要があると考えている.そのため,現在の進捗状況はやや遅れていると判断される.
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に得られた結果をなるべく早く公表し,次の研究課題に取り組むように努める予定である.
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