研究課題/領域番号 |
23K03172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30119656)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 放物型方程式論 / 非線型楕円型方程式 / ecosystems / gradient flow / 放物型性の起源 / 強消散項を持つ波動方程式 / 解析半群 / 非線形境界条件 |
研究開始時の研究の概要 |
放物型方程式論を肥沃化する事が期待できる課題として,(1) 強消散項を持つ波動方程式の放物型性の起源の探索 (2) 解析半群を生成する放物型方程式の解の空間変数に関する解析性・Gevrey性の導出という新たな挑戦 (3) ODE 理論で蓄積されてきた多価写像に関する理論の放物型方程式論への移植. 更に物型方程式論をより深化させる課題として (4) 非線型境界条件が果たす藤田指数に代わる新たな役割の発見 (5) 複素Ginzbourg-Landau 方程式の定常問題の解析 (6) 生物数学における細胞内での実際の実験に基づく新たなミトコンドリア膨潤モデルの提案と解析 を取り上げる.
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研究実績の概要 |
(1) 二つの極大単調作用素の和は必ずしも極大単調作用素にならない事はよく知られておりその和が極大単調となる為の十分条件に関する研究が既に多く存在していたが,従来の研究では扱われていなかった,摂動項が極大単調ではない多価作用素である場合にも扱える新たな枠組みでの摂動論が構築された. (2) 我々が既に示した「パラメータαに依存するある非線形境界条件を満たす有界領域における藤田型方程式に対して,時間大域解の存在・非存在をわける閾値が存在する」という事実をもとに,パラメータαに依存する非斉次ディリクレ型境界条件に従う藤田型方程式の定常問題に相当する非線形楕円型方程式にも,非自明解の存在・非存在をわける閾値が存在することが明らかになった. (3) 外来種植物の浸食による在来植物種の消滅による ecosystems の崩壊が New Zealand, South Africa, Chile など全世界で最近深刻な問題となっている. この現象を数理モデル化した E. Hughes et al が最近導入した ODE-PDE ecosystems modelの数学的解析を行い,解の存在と一意性を示すことが出来た. (4) 分数冪時間微分による時間発展する,時間依存する劣微分作用素に支配される grandient flow の解の存在が示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 新型コロナウイルスの世界的蔓延のため,海外出張が不可能となり,国内出張も制限され,国内外の研究協力者との研究連絡が困難な状況が続いていた為, 当初予定していた研究計画に遅延が生じていた.現状は改善されつつある
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今後の研究の推進方策 |
(1) p-Laplacian に支配される集合値項をもつ放物型方程式の時間周期問題の可解性を確立する. (2) ODE-PDE ecosystems model の解の漸近挙動は,ecology の観点からも重要であり, 時間 t →∞ とした時の解の挙動を解析する. (3) 分数冪時間微分による時間発展する,時間依存する劣微分作用素に支配される grandient flow に対して,報告者の1983年のJDEの結果に相当する非単調摂動理論を構築する.
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