研究課題/領域番号 |
23K03183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
和田 健志 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (70294139)
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研究分担者 |
中村 誠 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (70312634)
北 直泰 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (70336056)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Maxwell-Schrodinger 方程式 / 適切性 / 境界値問題 / 非線形分散型方程式 / 時空間評価 / 解の漸近挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
位相速度が波数によって異なる波は分散性をもつという.数学的には,分散性を持たない波と異なり,分散性波動にはある種の平滑化効果を持つなどの特徴がある.分散性は,方程式の解の時空間における積分量に関する不等式により定量的に表現される.本研究では,非線形分散型方程式,及び双曲型方程式との連立系を対象として,初期値問題及び初期境界値問題の適切性や解の挙動を関数解析,実解析の手法を用いて研究することにより,分散性や非線形性が方程式の解の性質にいかなる影響を与えるかをあきらかにする.
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研究実績の概要 |
本年度は主として Maxwell-Schrodinger 方程式の境界値問題について研究した。この方程式系は運動する荷電粒子と電磁場との相互作用を記述する方程式で数学的にも物理学的にも興味深いものである。全空間の場合には Nakamura-Wada (2007),Bejenaru-Tataru (2009) 等によりMaxwell-Schrodinger 方程式は時間大域的に適切であることが証明されていた。しかしながら,有界領域や外部領域における境界値問題については有限要素近似の収束性等は研究されていたものの,適切性については殆ど先行研究がなかった。代表者は大学院生の坂根氏と共同で2次元,3次元の場合の時間局所適切性および2次元の場合の解の時間大域的延長可能性を証明した。境界条件としては,Schrodinger 波動関数については Dirichlet 条件,電磁ポテンシャルについては完全導体に相当する境界条件を仮定した。全空間の場合と異なり,境界値問題においては部分積分において境界積分が現れないように計算を進める必要があるため,使える偏導関数の階数と種類が制限される。一方で Fourier 解析を用いた平滑化効果を用いることが難しいため,滑らかさの低い空間で時間局所解を構成するのが難しかったが,全空間の場合に開発した共変微分を利用する手法を活用して H^2空間における適切性を証明できた。H^2における適切性を証明できたので,第2エネルギーを計算することにより2次元の場合には時間大域解を構成できた。この結果については現在,学術雑誌に投稿するべく論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標のひとつである,Maxwell-Schrodinger 方程式系の境界値問題の適切性に関する結果を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
分担者との連絡を一層密にして研究を継続するとともに,海外も含め同様の問題に興味を持つ研究者や大学院生とも連携して研究に取り組む。
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