研究課題
基盤研究(C)
本研究では,互いに異なる周期軌道の組に対して,一方の軌道の近くから他方の軌道の近くに移動する別の軌道がある,という局所的な条件から,次の大域的な力学系の性質(a)と(b)を導く:(a)すべての軌道の存在確率密度が決まるならば,この存在確率密度は一意的に決まる.(b)有限時間での軌道の存在確率密度と,無限に時間が経過した軌道の存在確率密度との差は,エントロピーとポテンシャルという2つの値を用いて具体的に表示できる.更に,次の結果(c)を導く:(c) 稠密な軌道をもつ可微分力学系が,C1 級の摂動を加えてもその性質を失わないならば, 統計的安定的を満たす力学系で近似できる.