研究課題/領域番号 |
23K03199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
川北 素子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80467373)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 有理点 / 代数曲線 / 符号 / 誤り訂正符号 |
研究開始時の研究の概要 |
ICT社会基盤の信頼性を確保するため、誤り訂正符号は不可欠な技術である。近未来に量子情報通信が現実となったとき、量子誤り訂正符号が重要となる。1970年代に、ゴッパが代数幾何符号を発見し、代数曲線を用いて符号が構成できることが明らかになった。代数曲線の理論は、数学者により古くから研究されてきた分野である。しかし、符号理論に使える代数曲線について未解明な部分が多く残されている。本研究では、効率のよい符号と量子符号を構成できる代数曲線を発見し、その数理的な特徴を究明したい。
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研究実績の概要 |
インターネット、スマホ、電子マネーなどICT社会において、情報通信の正確さを保証する技術は必要不可欠である。符号理論は、まさにその役割を果たしている。1970年代に、ゴッパにより代数幾何符号が発見された。代数曲線から符号が構成できることがわかった。さらに、有限体上において多数の有理点をもつ代数曲線から効率のよい符号が構成することが示された。その中でも、上界に達するものが論理的に最もよい符号を与える。 ハッセ・ヴェーユ上界に達する代数曲線は最大曲線とよばれ、多くの研究成果がある。しかし、最大曲線ではないセール上界に達する代数曲線は、規則性がまだわからないので、存在すら未知の場合が多い。応用としてよい符号を与えるだけでなく、数学的にも興味ある研究対象である。今年度、セール上界に達する新しい代数曲線を発見できた。その方法を簡潔に紹介したい。 まず、ある種の定義方程式を持つ種数2の代数曲線の有限体上でのヤコビアンの完全分解に成功した。これが最も大きい成果と言える。続いて、特定の定義方程式を持つ次数6の代数曲線をその種数2の代数曲線にヤコビアン分解した。それにより、その代数曲線は完全分解することになる。次数6の代数曲線の中で、種数が6と10の代数曲線について、コンピュータ探索を行った。有理点を多数もつ代数曲線を得ることができた。探索アルゴリズムをさらに高速化することで、セール上界に達するものが発見できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、種数2のある種の代数曲線のヤコビアンの完全分解が得られたことにより、順調に本研究課題を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、種数2のある特徴を持つ代数曲線のヤコビアンの完全分解を与えた。今後この方法を拡張して、より多くの種数2の代数曲線のヤコビアンの完全分解が得られると、さらに色々な代数曲線についてヤコビアン分解ができ、コンピュータ探索することで、多数の有理点をもつ代数曲線を得ることができる。多数の有理点をもつ代数曲線のデータベースhttp://www.manypoints.org/も更新できる
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