研究課題/領域番号 |
23K03201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
徳重 典英 琉球大学, 教育学部, 教授 (00217481)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 極値離散構造 / 半正定値問題 / 離散構造 / 組合せ論 |
研究開始時の研究の概要 |
極値構造に関する様々な問題(具体的には以下の(1)(2)など)およびその解析手法を研究する。 (1)与えられた確率測度に対して、r重 t交差族の測度の最大値は何か、最大値を達成する集合族はどんなものか、極値構造は安定であるか、を研究する。例えば、非自明な3重1交差族の極値構造を解明する。 (2)Erdos-Renyiランダムグラフ G(n, p) におけるクリークの個数の期待値を評価する。次に、この結果のハイパーグラフの設定への拡張を行う。(櫻井太朗氏との共同研究)
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研究実績の概要 |
t点を固定する部分集合族を自明なt交差族という。3重t交差族のproduct measureが自明なt交差族のproduct measureをこえないようなパラメタの範囲において、Erdos-Ko-Rado型の結果を証明し、その論文がEuropean Journal of Combinatoricsから出版された。証明は組合せ論的なもので、集合族をshiftingによって標準的な構造に変形した後、部分集合を平面上のwalkに対応させ、3重t交差族のwalkたちの測度をある種のランダムウォークの原点再帰確率で評価した。この手法により安定性(測度が最大に近い3重t交差族は、その構造が自明なt交差族に近いこと)も示せた。またこれに関連して、3重t交差族であるが、自明なt交差族ではない場合の最大測度およびその安定性についての研究をおこなった。 部分集合の交差族においては、k点部分集合の交差族のサイズと、サイズを制限しない部分集合のproduct measureとの間に対応があることが知られていて、この対応は重要である。一方、有限体上のベクトル空間の部分空間がつくる交差族においては、k次元部分空間の交差族の最大サイズは知られているが、これに対応する測度版の結果は知られていない。そもそも部分空間族にどのような測度を導入すべきかが明らかでない。そこで田中初太氏(東北大)と共同で、部分空間族に測度を導入し、測度版のErdos-Ko-Rado型の結果を得るための研究を開始した。このために組合せ論的な手法だけでなく、問題を半正定値問題として定式化し解くことも試みている。 名古屋大学で開催された代数学シンポジウムにおいて、交差族の組合せ論に関する概説的な講演をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3重t交差族の最大測度に関する論文が出版され、3重交差族の安定性に関する論文と非自明な3重交差族の最大測度に関する論文を投稿した。また新たに部分空間における交差族の測度に関する研究を開始できた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通り交差族に関する研究を続けるが、特に代数的な手法(半正定値計画法など)についてさらに詳しく調べたい。
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