| 研究課題/領域番号 |
23K03239
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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| 研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
武村 一雄 日本大学, 理工学部, 教授 (60367216)
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| 研究分担者 |
關戸 啓人 大阪成蹊大学, データサイエンス学部, 准教授 (40718235)
永井 敦 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90304039)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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| キーワード | ソボレフ不等式 / グリーン関数 / 再生核 / 最良定数 / 直交多項式 / グリーン行列 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は基礎研究と応用研究の2つの柱から構成される。基礎研究は「広いクラスのソボレフ不等式の最良定数・関数とその離散化に関する研究」であり,応用研究は「理工学の様々な分野に登場する境界値問題からソボレフ不等式・離散ソボレフ不等式を導出し,理工学の諸問題に対する数学的基盤の確立とその応用研究」である。特に応用研究に該当する柱では,有限グラフ上の離散ソボレフ不等式研究を深化させ,化学,電気回路理論,材料力学などの幅広い分野に新たな視点を加えることにより,理学と工学の融合による応用研究から社会的意義のある新たな価値の創造を目指す。
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| 研究実績の概要 |
本年度は研究計画の2年目にあたり,理論構築と応用の両面からバランスよく研究を推進している。特に,未解決問題であった両端固定端条件における2M階線形微分方程式に対するグリーン関数の正値性を厳密に証明し,重要な理論的課題の一つを解決した。その際に現れる定数がハンケル行列式を通じて定式化できることが判明し,明示的な計算によってその厳密値も得られた。この成果は,境界値問題の解析理論に新たな視点を与えるものである。
さらに,多点非局所境界値問題の研究では,昨年度に得られたグリーン関数の基本的性質(対称性・正値性・境界条件の充足など)の整理を進めるとともに,それらの性質に基づいた構造の一般化に取り組んでおり,得られた成果の一部は査読を経て Scientiae Mathematicae Japonicae に受理・掲載された。この構造解析の結果,該当するグリーン関数は,古典的な両端固定端条件をもつグリーン関数に,摂動項としての積分項を加えた形で表されることが判明した。これにより,先に得られた古典的グリーン関数の正値性と組み合わせることにより,同様の性質が保存されることが期待される。
その過程で自然に導かれた直交多項式は,古典型とは異なる非標準的構造を持ち,対応する微分方程式,隣接三項間漸化式,母関数の級数展開や積分表示が得られている。これらに基づいて再生核ヒルベルト空間の構成にも着手しており,点評価作用素の有界性やノルム評価を通じたソボレフ型不等式への応用が視野に入っている。さらに,こうした構造的性質は数値解析や高速アルゴリズム設計の基盤となる可能性を持ち,カーネル法などを介して機械学習を含む理工学系分野への応用展開も期待される。理論と応用の架橋を目指し,今後の学際的研究の進展が見込まれる。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究計画の2年目に該当しており,全体としては当初の計画に沿って順調に進展している。特に,周期境界条件と反周期境界条件が交互に現れる2M階多点非局所境界値問題に対するグリーン関数の構造解析を通じて,新たな直交多項式が導かれたことは,本研究における重要な成果の一つである。得られた直交多項式は,従来の古典的直交多項式とは異なる非標準的な内積構造に基づいており,古典型に属さない新たなクラスとして位置付けられる。
この直交多項式に関しては,満たされる線形常微分方程式,隣接三項間漸化式に加え,母関数の級数展開やMeijer G 関数を用いた積分表示が明らかとなり,その解析的構造が徐々に解明されつつある。特に,積分表示の導出においては,特殊関数論の枠組みが不可欠であり,従来の直交多項式論と比較してより高次の関数解析的視点が求められることが判明した。また,これらの直交多項式は,ハンケル行列式や再生核との関連を通じて,新しい再生核ヒルベルト空間の構成を可能にし,点評価に関するソボレフ型不等式の評価や最良定数の解析にも資するものである。
今後は,この直交多項式族を基盤として構成される再生核ヒルベルト空間における点評価作用素の有界性,およびそのノルム評価に焦点を当てる予定である。これにより,ソボレフ空間における点評価不等式の厳密な再検討や,関連する最良定数の評価が理論的に可能となる。また,非古典的直交多項式に対するさらなる構造理論の確立や,その応用としての数値解析的手法への展開,さらには機械学習におけるカーネル法との接続可能性についても視野に入れて研究を進めていく予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた成果,特に多点非局所境界値問題から得られたグリーン関数の構造と,そこから自然に現れた非標準的直交多項式の性質を基盤として,今後はこれらの多項式を用いた新しい再生核ヒルベルト空間の体系的構成を進める。具体的には,この空間における点評価作用素の有界性や,ソボレフ型不等式における最良定数の導出に焦点を当てる予定である。これにより,従来のソボレフ空間では得られなかった精密な評価が可能となり,関数解析的手法による不等式理論の高度化が期待される。
また,直交多項式の持つ構造的性質―微分方程式,漸化式,母関数表示―を利用して,数値計算への応用展開も視野に入れている。特に,再生核を通じた高速アルゴリズムの設計や,高精度近似のための数値積分法の改良といった側面は,数値解析における有用な応用につながる可能性がある。さらに,再生核構造や母関数の特異性は,機械学習における新たなカーネル関数の設計に役立つ可能性があり,理論的枠組みの構築と並行して,応用展開の基盤整備にも力を入れる方針である。
今後の研究では,引き続き数理解析を中心としながらも,必要に応じて計算機実験を取り入れ,理論と数値の両面からの検証を行う。また,再生核や特殊関数に関する他分野の知見を取り入れることで,本研究のさらなる発展と学際的な広がりを目指す。
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