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保護区域を伴う被食者-捕食者モデルの解構造に非線形拡散が及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K03241
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分12040:応用数学および統計数学関連
研究機関九州産業大学

研究代表者

大枝 和浩  九州産業大学, 基礎教育センター, 講師 (70580364)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード反応拡散方程式 / 非線形拡散 / 被食者-捕食者モデル / 保護区域 / 反応拡散系 / 被食者‐捕食者モデル / 分岐
研究開始時の研究の概要

被食者のための保護区域が存在する被食者-捕食者モデルについて、数学的な解析を行う。ただし、保護区域とは、「被食者(捕食者に食べられてしまう生物種)は自由に出入りできるが、捕食者は入れない区域」のことである。本研究では、捕食者の拡散を、捕食者が被食者の多い場所に向かうことを表す非線形拡散にして研究を行い、「捕食者が戦略的な行動を取った場合でも、保護区域があれば被食者が絶滅から救われるか?」という問いに対する数学的な解答を導く。

研究実績の概要

反応拡散方程式で記述される被食者-捕食者モデルについて、数学的な解析を行った。被食者-捕食者モデルの研究では、例えば、どのような条件下で被食者と捕食者が共存できるかなどを数学的に明らかにすることが目的となる。
本研究では、特に、被食者のための保護区域(すなわち、被食者は自由に出入りできるが、捕食者は入ることができない区域)が存在するモデルについて、非線形拡散項を含むモデルを解析した。ただし、本研究における非線形拡散項とは、「捕食者が被食者(すなわち、捕食者にとっての餌)の高密度な場所に移動する」ことを表すattractive transition型の拡散項(移流項)である。
当該年度は、分岐理論などを用いることにより、正値定常解(被食者と捕食者の共存状態を意味する解)の存在定理を得た。また、非線形拡散項の係数を無限大にしたとき(言い換えると、非線形拡散の影響を限りなく大きくしたとき)の正値定常解の漸近挙動について解析した。その結果、漸近挙動は2つの可能性があることが分かった。さらに、ある条件下(具体的には、方程式の係数がある条件を満たすとき)では、2つのうちのどちらになるのかについても解明できた。しかし、完全解明には至らなかった。特に、空間次元が2次元以上の場合は未解決な部分も多く残ったが、空間次元が1次元の場合は、非線形拡散項の係数を無限大にしたときの解の形状なども含めて、一定の研究成果を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究以外の業務量が多かったため、十分な研究時間を確保できず、予定通りに研究が進まなかった。しかし、次年度は研究以外の業務量が減るので、十分な研究時間を確保できる見込みである。また、保護区域と非線形拡散を伴う被食者‐捕食者モデルについて、一定の成果は得られており、さらに、未解決問題の中には、具体的な解決策が見えているものもある。従って、次年度に遅れを取り戻せると考えている。

今後の研究の推進方策

引き続き、被食者のための保護区域が存在する被食者-捕食者モデルについて、数学的な解析を行う。特に、正値定常解集合の構造に非線形拡散が及ぼす影響を解明する。具体的には、非線形拡散項の係数を無限大にした時の正値定常解の漸近挙動や解の形状などについて、次年度は今年度よりも詳細に解析する。まず、空間次元が1次元の場合を考え、その後、2次元以上の場合も考える。そして、口頭発表及び査読付き学術雑誌への論文投稿を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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