現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,代表者の過去の国際共同研究で得られた高密度剛体球系を解析する方法論 (i) イベント駆動アルゴリズム(EDMD:Isobe,Mol.Sim.,2016, ECMC:Krauthら,PRE,2009, NEC:Engelら,JCP,2019)、(ii) 剛体多角形同士を高速に接触判定するXenoSweep法(Engelら,JACS,2021) (iii) 分子の局所構造解析法(a)最近接粒子判定(SANN)法の高次近傍拡張、(b)多分散系へ適用可能な高速自由体積計算法(NELF-A法) を用い,自己駆動複雑分子系の動的ファシリテーションの解明のため,「フリージング」「フリーエナジー」「ファシリテーション」3つの概念を軸に研究を遂行している.進捗状況は以下のとおりである. (I)高密度多成分剛体円板系を解析する高速高次近傍判定法2D SANNex法,高速自由体積計算(NELF-A)法を確立し,原著論文(JCP, 2024)として公表した.また,応用例として,ジャミング構造計算法を開発し,国内外の学会で発表した. (II)剛体三角形系に着目し,方法論として(i)並進平衡緩和にNewtonian Event-Chainモンテカルロ法,(ii) 接触判定にXenoSweep法を導入し,相図を作成した.このとき,粒子形状の異方性を考慮し新しい配向秩序変数を提案し,各相の特徴づけを行った. (III)ガラス転移点近傍「ひも状のホッピング連鎖」協働運動の深層学習により予測したこのとき1粒子を取り除く,Cavity駆動アンサンブルを確立した. (IV)自己駆動粒子系に着目し,アクティブブラウン粒子流で生じる非自明な結晶・ガラス化現象の相図を作成し,微視的機構を調べた. 初年度は,国内外学会にて19件成果発表し活発に成果発表を行ったため,おおむね当初の計画通りに研究が進展している.
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