研究課題
基盤研究(C)
流れは様々な物を運ぶ。流れは殆どの場合、速度が乱雑な状態である乱流で、乱流が物を運ぶ能力は液体や気体を構成する分子の運動が引き起こす拡散のそれと比べると異常に高い。この異常性の法則は十分には確立していない。こうした法則は、地球大気による熱の輸送といった問題と関連があり、重要である。本研究では確立の困難さの原因が乱流速度がもつ長時間の相関であると考える。この速度は、流れに乗った観測者が測る速度(ラグランジュ速度)で、短い時間では大きく変動しない。我々は乱流の数値シミュレーションを行い、ラグランジュ速度の2時刻相関関数を用いて相関を明らかにすることで、乱流輸送の異常性の法則の確立を目指す。