研究課題/領域番号 |
23K03252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
松川 宏 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20192750)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 摩擦 / 前駆滑り / 地震 / 真実接触点 / 超潤滑 / 粉体 / 破壊 / スリップ |
研究開始時の研究の概要 |
以下を明らかにすることにより、原子スケールから巨視的スケールに至る摩擦の研究をつなげ様々な摩擦現象の機構を解明し、摩擦現象の普遍性と多様性の起源を明らかにし、応用につなげる。 (1) 一つの真実接触点レベルの摩擦と滑りの機構 。 (2) 多数の真実接触点を含むメゾスケールの摩擦の振る舞い。(3) 駆動条件などに不可避な自発的非一様性の生じるマクロな弾性体における前駆滑りと摩擦。(4) 超潤滑と基盤上の原子フレークのダイナミクス。(5) シミュレーションによる地震の諸性質の解明と機械学習による予測
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研究実績の概要 |
本研究の目的のうち、一つの真実接触点の接触、摩擦と滑りの機構、メゾスケールの摩擦の振る舞いに関しては、真実接触点を多数含み現実の摩擦面と同じく自己相似性を持つランダムな表面を考え一つの真実接触点の振る舞いから理論的に、多数の真実接触点をすくむ系の全真実接触面積、全摩擦力の荷重依存性の式を導くことに成功した。これらより静摩擦係数の表式を得た。マクロな弾性体における前駆滑りと摩擦、に関しては、バネブロックモデルに粘弾性項を加えた有効モデルを提案し、その前駆滑りおよび系全体の滑りの様子を調べた。そして、粘弾性項がない場合は、駆動方法、各ブロックの摩擦則に関わらず、一回の滑りの大きさの頻度分布には地震と同じ冪乗則が成り立つことを明らかにした。ただし、前駆滑りの様子は駆動方法によって大きく変わる。また粘弾性項を導入すると、冪乗則が成り立たなくなる。さらに立方体形状および溝のある粘弾性体ブロックの摩擦を有限要素法および有効モデルの解析計算により調べ、そこではアモントンークーロンの法則と呼ばれる一般には広い範囲で成り立つと信じられている摩擦の法則がなりたたなくなり、摩擦係数は特徴的な荷重依存性、溝の構造依存性を示すことを示した。超潤滑と基盤上の原子フレークのダイナミクス、に関してはグラファイト基板上のグラファイトフレークの運動をLAMMPSを用いて数値的に調べている。フレークのサイズ依存性、駆動角度・速度依存性も明らかになりつつある。シミュレーションによる地震の諸性質の解明と機械学習による予測、に関してはバネブロックモデルのシミュレーションによって得たデータと深層学習の手法を用いて、地震予知の計算機実験を行っている。小・中規模の地震に関しては比較的よく予知できるが、大地震に関してはうまくいっていない。また褶曲構造形成への摩擦の影響を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記したように、当申請課題の目的のうち、メゾスケールの摩擦の振る舞い、マクロな弾性体における前駆滑りと摩擦、超潤滑と基盤上の原子フレークのダイナミクス、シミュレーションによる地震の諸性質の解明と機械学習による予測に関する研究は概ね計画どおりに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当申請課題の目的のうち、真実接触点の摩擦と滑りの機構のついては計算機実験を始める予定である。他の目的もこのまま研究を進め、必要におうじて新たな手法を採用する。
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