研究課題/領域番号 |
23K03266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡邉 宙志 九州大学, 理学研究院, 准教授 (20767199)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 量子アルゴリズム / 変分量子回路 / 変分量子固有値法 / 最適化アルゴリズム / 量子コンピューティング / 変分量子アルゴリズム / 量子化学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
変分量子アルゴリズムは、パラメータ化された量子回路(PQC)を用いて得られるコスト関数を最適化する古典と量子のハイブリッドのアルゴリズムである。しかし変分量子アルゴリズムは汎用性(表現能力)と最適化可能性、ノイズ耐性などのトレードオフが問題となる。この問題を回避するため、コスト関数の最適化と同時に、回路構造そのもの最適化(可塑的量子回路)の概念が提唱されている。本研究では回路構造最適化を発展させる解析的最適化法を開発/提唱する。これら手法は複数パラメータの相関を取り込むことが可能であり、浅い回路で高い表現能力を実現すると同時に効率的なコスト関数最適化を可能にするものである。
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研究実績の概要 |
変分量子アルゴリズムは、パラメータ化された量子回路(PQC)を用いて得られるコスト関数を最適化する古典と量子のハイブリッドのアルゴリズムである。しかし変分量子アルゴリズムは汎用性(表現能力)と最適化可能性、ノイズ耐性などのトレードオフが問題となる。この問題を回避するため、コスト関数の最適化と同時に、回路構造そのもの最適化(可塑的量子回路)の概念が提唱されている。本研究では回路構造最適化を発展させる解析的最適化法を開発/提唱する。これら手法は複数パラメータの相関を取り込むことが可能であり、浅い回路で高い表現能力を実現すると同時に効率的なコスト関数最適化を可能にするものである。 今年度は、過去に我々が提唱した回転軸自由選択法(Fraxis)を拡張した単一量子ビットの完全最適化アルゴリズム開発(自由四元数選択法:FQS)に取り組んだ。当該年度は今年度はすでに提唱してあった理論的な枠組みを元にシミュレータおよび実機を用いて提唱したアルゴリズムの性能の評価を行った。その結果、FQSは従来の解析的な逐次最適化アルゴリズムだけでなく、現在の最適化アルゴリズムの主流である勾配ベースの最適化法よりも収束性および解の精度ともに遙かに高いことが示された。さらにこの優位性は実機でも確認されただけでなく、本手法を使った場合に、従来法を用いたシミュレータの結果も上回ることがあり得ることが確認された。また特定の構造をもつハミルトニアンに関しては、従来の変分量子アルゴリズムの課題であったBarren plateauの問題も回避できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であった単一量子ビットゲートの解析に成功し論文化できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、提唱することに成功したアルゴリズム(自由四元数選択法)をさらに拡張した多量子ビットゲートの完全な最適化アルゴリズムの開発に取り組む。そして開発した手法を量子変分アルゴリズムだけでなくearly-Fault tolerant 向けのアルゴリズムへの応用先を検討する。
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