研究課題/領域番号 |
23K03308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中村 真一 帝京大学, 理工学部, 教授 (80217851)
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研究分担者 |
下村 晋 京都産業大学, 理学部, 教授 (00260216)
三井 隆也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター, 上席研究員 (20354988)
藤原 孝将 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター, 研究員 (50847150)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | メスバウアー回折 / 核共鳴散乱 / マイクロメスバウアービーム / 電荷秩序配列 / 純核ブラッグ散乱 / 混合原子価鉄酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
大型高輝度放射光施設SPring-8 BL11XUに申請者らが開発した放射光メスバウアー4軸回折計を用いて,禁制反射から生じる純核ブラッグ散乱を観測することで混合原子価鉄酸化物Fe3O4,LuFe2O4,及び,Fe2BO4の電荷秩序配列を決定する。入射光としてマイクロメスバウアービームを用いることで,数10 μmオーダーの微小領域からの核共鳴散乱のみを取り込むことができるため,従来問題となってきた双晶の影響を排除することができる。
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研究実績の概要 |
大型高輝度放射光施設SPring-8 BL11XUに設置した放射光メスバウアー4軸回折計を用いて,混合原子価酸化物の電荷秩序配列の検証を試みている。2023年度は,Fe3O4低温相の電荷秩序配列検証を取り扱った。立方晶逆スピネル型を有するFe3O4は,AサイトにFe3+,Bサイトに同数のFe2+,Fe3+を有する混合原子価鉄酸化物であり,フェルヴェー点125 K以下での単射晶への構造相転移を伴う電荷秩序配列を生じることが知られている。本研究では,まず,300 Kの立方晶域で,禁制200反射からの純核ブラッグ散乱を用いて,高温相のBサイトのみの核共鳴発光スペクトルの測定に初めて成功した。一方で,BL11XUにおいては,核モノクロメーターから発せられるγ線をKBミラーで2度反射・集光させることで,マイクロメスバウアービームが供せられるようにもなった。 このマイクロメスバウアービームを入射γ線として,主にAサイトスペクトルを供する10 10 0反射(45度法)とBサイトスペクトルのみを供する200反射(純核ブラッグ散乱法)を用いて,低温相のメスバウアー回折スペクトルを測定した。その結果,Aサイトスペクトルは低温相でも1種類のFe3+であるのに対して,Bサイトスペクトルでは,分離した反射(220, 004等)の位置によって異なるFe2+的,Fe3+的核共鳴発光スペクトルが得られた。この結果は,BサイトにおけるFe2+/Fe3+の電荷秩序配列を裏付けるものである。 これらの研究成果の一部は,英文学術論文,国内学会発表,国際学会発表として成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放射光メスバウアー回折により,Fe3O4高温相で禁制200反射からの純核ブラッグ散乱によりBサイトのみの核共鳴発光スペクトルの測定に初めて成功した。また,ビームライン設備として,マイクロメスバウアービームが供せられるようにもなった。85 K程度までの低温測定も可能になっている。低温相のメスバウアー回折により,電荷秩序配列を裏付ける結果も得られた。研究成果の一部は,英文学術論文,国内学会発表,国際学会発表として発表し,2024年度においても国際会議発表を行う予定である。 一方,2024年度の研究実施に備え,57Feエンリッチ単結晶のLuFe2O4合成も進めており,第一号単結晶は合成できている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,メスバウアー回折によって,電子強誘電体LuFe2O4のFe2+/Fe3+電荷秩序配列の検証を試みる。本物質では,可能な5つの電荷秩序配列モデルが提唱されている。単斜晶c面内の禁制反射00L(L:奇数)からの純核ブラッグ散乱による反射の有無や回折強度を調べ,その反射を用いた核共鳴発光スペクトルの測定行うことで,これらの電荷秩序配列モデルの検証を行う。予備的な測定として,自然鉄単結晶を用いた測定を既に行なっているが,希土類元素(Lu)によるγ線吸収や蛍光X線の発生によって,目的の信号を得ることができなかった。その経験を踏まえ,新たに合成した57Feエンリッチ単結晶を用いて測定を行う計画である。
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