研究課題
基盤研究(C)
Migdal-Eliashberg(ME) 理論はフォノン機構超伝導を記述する標準理論として研究に広く用いられている.しかしそこで歴史的に用いられてきた,一見些末に見える電子状態の詳細に関する近似的取扱いが,近年発見された水素化物超伝導体などでは破綻を来たす.標準手法を現代的な超伝導体に適合させ,信頼性の問題を解決するため,ME 理論を近似なしに実行する第一原理計算手法を定式化および実装する.手法を水素化物などに適用し,そのデータから“認知されていなかったが実は影響が甚大な電子状態の詳細構造”による転移温度などの観測量への影響機構を理論として確立し,実験検証への道具立てを与える.